複雑に入り組んだ梁と変形構造を 逆手にとった光の通り道
「時間と空間に、アイデアを」をコンセプトに、リノベーション・リフォーム・新築を手がける「KUFURAS(クフラス)」。日々の暮らしに寄り添い、設計やデザインを生かした工夫で、いつまでも愛着を持ち続けられる住まいづくりを目指しています。
小坂裕幸建築設計事務所とコラボレーションしたプロジェクトでは、「マンション01」「マンション02」「マンション03」と、斬新でありながら暮らしやすさも兼ね備えたマンションリノベーションをプロデュースしています。
そしてこの夏に完成した「マンション04」。これまでにない独特の構造を持つ約64平米の物件です。既存は玄関と寝室部分が斜めに張り出した変形間取りの3LDK。天井には空間を横切る大小の梁がいくつも交差し、細かく仕切られた洋室や和室で窮屈な印象です。そこでまずはリビングと続きの和室を統合し、1人暮らしや夫婦2人暮らしを想定したゆとりある2LDKへと変更しました。
今回の鍵となったのは光の取り込み方。変形構造でリビングからの光が奥まで届かないため、明るさを確保する間取りと、素材や仕上げでいかにメリハリのある美しい陰影をつくり上げるかがポイントでした。
奥行きのある廊下と窓のない水まわりに光を行き渡らせるため、各仕切り壁に設けられたのがスリットです。あえて壁の天井付近に隙間をあけることで、光の通り道がそこかしこに生まれました。
構造梁が影を落とす洞窟風の玄関から、ところどころ光が射し込む迷宮のような廊下を抜けると、目の前に開けるのは美しい壁とピクチャーウィンドウのあるリビング。見上げた先には力強い梁や現しの天井。スラブ壁も少しツヤ感が出る仕上げにし、上質な陰影を演出しています。
ポテンシャルを引き出し 新たな価値へとつなげるリノベ
大胆なリノベーションプランは、一度スケルトン状態にすることで見えてくる可能性を探ることからスタートします。建築家である小坂さんと、建築業界での長年の実績を持つスタッフが在籍するクフラスが、双方の目線から空間を再構築。マンションが持つポテンシャルを引き出し、邪魔な構造梁や柱、細切れの間取り、斜めの廊下、それらをマイナスからプラスへと変えるための工夫とアイデアで、新たな価値を積み重ねていくのがこのプロジェクトの真骨頂です。
梁を現しにした天井で高さと開放感を確保し、配管や釘跡もそのままに塗装。複雑な構造の梁は、前衛アートのようにダイナミックなインテリアの一部としてデザインに組み込まれました。
最も苦労したのがキッチンとパントリー。使い勝手を考えれば収納も兼ねるパントリーは必須ですが、スペースには限りが。バルコニーに面した窓際に配置したのは、従来のセオリーにとらわれないからこその設計です。
制約が多いマンションリノベでありながら、素材に妥協せず、しっかりコストをかけてデザインする。その一方で水まわりを動かさないなどの工夫でコストバランスをとることも忘れていません。
01から04まではクフラスが厳選したマンションでのリノベをリリースしてきましたが、要望の高まりとともに、オーナー物件や持ち家でもコラボプロジェクトによるリノベーションが予定されています。ますます広がりを見せる建築家×クフラスの化学反応が、どのような空間をクリエイトしてくれるのか期待が膨らむ一方です。
KUFURAS(クフラス)
モデルハウス「マンション04」
北海道札幌市 中央区南4条西14丁目1-6 ライオンズマンション医大前
TEL/011-780-1010
販売内覧受付中/予約フォーム https://kufuras.co.jp/lp04/#tour
◎ホームページ https://kufuras.co.jp