かつての当たり前が
当たり前ではなくなった!
家づくりのABC
「家を建てたい」と考えたら、多くの人がまず始めるのが土地探し。ところが近年、札幌市内では慢性的な土地不足によって、地価が高止まり。敷地面積も狭小化の一途をたどっています。その余波はJR通勤が可能な江別市、北広島市、恵庭市などの住宅街にも広がり、予算内で宅地を見つけるまでに長く時間がかかるケースが増えています。それに追い打ちをかけるように「ウッドショック」と呼ばれる世界的な木材不足によって、建築資材の価格も急騰。また、住宅設備の供給不足、価格の上昇も相まって、家づくりに二の足を踏んでしまう人もいます。
同時に、働き方改革やコロナウイルスの流行によって、リモートワークも今や当たり前になりました。そうした社会的背景の変化によって、住宅の取得を考え始める20〜40代のファミリー層の「家を持つ」ことの意味にも、変化が生まれています。土地選びの基準が利便性重視から心地よく暮らせる環境重視になったり、家で働くことが前提の間取りが取り入れられたり。これまで家づくりでは当たり前に選択されてきたさまざまな事柄が、今や当たり前ではなくなってきているのです。
そんな中、改めて注目されているのが、都市部の利便性を兼ね備えながら、ゆとりある田園ライフを満喫できる、岩見沢市や南幌町、長沼町、新篠津村などのローカルエリア。道外からの移住や札幌市内で賃貸生活を送っていたファミリーが住宅を取得するタイミングで、ローカルエリアで土地を求めるケースが増え始めています。
理想のライフスタイルを
カタチにできる
セミローカル・オブ・札幌
このローカルエリアでの家づくりに注目したのが、札幌市に拠点を置く工務店「株式会社 北王」。この春から自社のウェブサイトに「セミローカル・オブ・札幌」と名付けたコンテンツを設け、実例を交えてその魅力を発信しています。
自家用車なら札幌市内への通勤が可能。それでいて、都市部に比べて1戸当たりの区画が広く、地価はリーズナブル。ゆとりある敷地を生かし、平屋造りや庭や菜園のある暮らしを実現することも可能です。のびやかな生活環境に加え、子育て支援が用意されている地域もあります。「住まいや暮らし、子育てにこだわりを持つご家族にとって、セミローカルという選択肢は、これからの家づくりの大きな力になってくれると思います」と、広報を担当するマーケティング室長の五十嵐雄生さんは話します。
北王では長沼町や新篠津村、岩見沢市郊外などでの家づくりを手がけてきました。建物が密集する札幌市の賃貸暮らしを卒業し、長沼町に移り住んだご夫妻は、緩やかな丘が広がる風景を日常の中で楽しみながら暮らせる住まいを実現したといいます。「住まうエリアを変えることで、札幌では実現が難しいこだわりの家づくりも可能になります。その魅力を、自社サイトを通じて多くの人に伝えていきたいと思っています」と、五十嵐さんは笑顔で語ってくれました。
共働きライフを頼もしく
支えてくれる
田園のまち、幌向
● 岩見沢市・Hさん宅 夫婦30代、子ども2人
2018年、北王ならではのすっきり無駄のないデザインにひかれ、家づくりを依頼した共働きのHさん夫妻。当初は、札幌市と江別市で土地を探していたといいます。「ところが、江別でも駅近物件は高くて、手が出ませんでした。そこで、実家のある幌向で土地を探したら、江別の4分の1以下の予算で90坪の宅地が見つかりました」と、奥さんは振り返って話します。
プランづくりでは1階のキッチンと水まわり、玄関には回遊動線を設け、家事効率の良さを追求。また奥さんが叶えたかったカバ無垢の床やアクセントウォールを配した造作背面収納のあるおしゃれなキッチンも実現しました。「ずっと遠くまで見通せる立地を生かして、2階からその眺めを楽しめる書斎コーナーをプラスアルファの提案として、プランに盛り込みました」と、設計部の佐々木美保さんは話します。
2020年8月、新居が完成。さらに、広い敷地を生かして庭も整備し、暖かな時期には子どもと一緒にバーベキューや水遊びを楽しんでいるといいます。「土地代が圧縮されて資金計画にゆとりができたので、思い描いたとおりのマイホームができました。都市部に比べて保育環境にも恵まれ、仕事をしながら子育てものびのびと楽しめます。幌向を選んで正解でした」と、奥さんは笑顔で話してくれました。
北王ではセミローカルの定義をさらに広げて、趣味的な暮らしによりフォーカスした住まいの提案を行いたいと考えています。「例えば、サーフィンが盛んな厚真町でリゾート感満載のサーファーの住まい、千歳川のほとりにフライフィッシャーのための家。リモートワークが一般化した今なら、仕事の前後に気軽に趣味を楽しめるような住まい方の提案もできると考えています」と、佐々木さんは意欲的に語ってくれました。