自然素材による建築資材を通じて、サスティナブルな社会づくりを目指すトータルサプライヤーであるチャネルオリジナル。建築資材の流通会社ならではの視点で、物理的&心理的に長寿命を生む「グリーンビルディング」の実現を目指しています。
素材とデザインの魅力を生かす温熱環境の向上こそが、
グリーンビルディングの要
「グリーンビルディング」という言葉を耳にされたことがあるでしょうか? 簡単にいうと、エネルギーや水、空調設備などの使用量を抑え、環境への負荷を削減した建築物のこと。「サスティナブルビルディング(持続可能な建物)」などと呼ばれることもあります。地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)は、建物からの排出量が総排出量のうちの30%を占め、世界の飲料水の14%を消費しているといわれています。そこで、こうした温室効果ガスの排出量を抑制し、低炭素社会の実現に寄与するグリーンビルディングは、近年、建設業界にとって重要なテーマとなっています。
日本で唯一「準防火構造」「防火構造」「準耐火構造45分」「準耐火構造60分」の国土交通省認定を受けた木製外壁『WILL WALL』を主体に、自然素材由来の総合建築資材サプライヤーとして発展してきたチャネルオリジナル。10数年前から日本でも世界基準の家づくりが提唱されるようになったことで、同社も温熱環境の大切さに気づかされることになります。
例えば、素材感や意匠性に優れた無垢の床も、裸足で歩いたときに気持ち良さを感じることができるのは、家全体の温熱環境が整っていればこそです。また、自然由来の塗り壁は、テクスチャーとしての優秀さに加え、調湿効果という温熱環境に関わる役割も担っています。つまり、心地よい温熱環境があって初めて、素材もデザインもその魅力が最大限に引き出されるということ。家とはすなわち「素材」×「デザイン」×「温熱環境」であり、温熱環境を整えるということはグリーンビルディングの視点そのものだということを認識したのです。
環境負荷の低減だけでなく
心地よさをも付与するグリーンビルディングへ
こうした経緯から、同社では8年ほど前にグリーンビルディング事業部を立ち上げ、窓、換気、断熱材をはじめとする、省エネルギー化および温熱環境の向上に特化した建築資材の提案を行ってきています。東北や北海道といった自然環境の厳しいエリアで、温熱環境の向上に取り組むつくり手たちとの協同を通じて、温熱環境やグリーンビルディングの重要性は確信につながりました。
ここで大事なのは、チャネルオリジナルが思い描くグリーンビルディングとは、単に環境への負荷を抑えた建築物ではないということです。物理的に長寿命で、数値的にエネルギーコストを削減するのは当たり前で、そこからもっと踏み込み、空気の流れであったり、肌触りであったり、安心感であったりという「目に見えない快適性」の部分が大切だと、同社は考えています。
なぜなら、そうした数値化できない心地よさこそが、長く住むほどに愛着が湧き、ずっと住み継いでいきたくなる「心理的長寿命な家」の根源だと感じるからです。同社が掲げる“チャネル的グリーンビルディング”は、物理的×心理的長寿命を志向するライフスタイルの提案でもあるのです。
適材適所の環境資材で
グリーンビルディングを推進
「素材」×「デザイン」×「温熱環境」が融合した「心理的長寿命な家」を実現するため、トータルサプライヤーであるチャネルオリジナルができることは、国産、輸入、オリジナルを含めた圧倒的な商品力を武器に、適材適所の環境資材を供給していくこと。代表的な資材を挙げると、防火木材外壁材「WILL WALL」やエネルギー効率に優れた超高性能窓「UNILUX」などがあります。一般の商社や販売店では扱いづらいようなこだわりの商品を幅広く取りそろえている点が同社の大きな強みです。
「チャネルとつながりのある工務店や設計事務所を選べば、環境に配慮した家を建てられる」「チャネルなら健康で快適な生活を育む自然素材をセレクトしてくれる」。そのようにチャネルオリジナルに価値を見出してくれる住まい手が増えるよう、そして地球環境への配慮と心地よい暮らしの実現ために、チャネルオリジナルは家づくりのトップランナーたちと手を携えながら、“チャネル的グリーンビルディング”をさらに啓発・推進し続けていきます。
Case.1 岩手県盛岡市「湖畔の家」
令和3年度「盛岡市都市景観賞」を受賞したこの住まい。2階を張り出させたスタイルが機能的に働き、建物と外構・植栽の配置の絶妙なバランスを生み出しています。
ルーバー調に並ぶ木外壁も洗練された雰囲気を演出。この木の外壁には、天然木のサイディング「ナチュレウォール(T&Gパネル/節有)」が採用されています。玄関部は、天井と壁に青森ヒバの羽目板を採用し、オリジナルの木製ドアも青森ヒバでつくることで、統一感のあるデザインに。北海道産のナラ材のフローリングも室内に木の温もりをもたらしています。
設計/(株)ATELIER O2 大杉 崇
Case.2 宮城県仙台市「上杉の家」
壁・天井ともに400㎜以上の断熱材を施し、冬も暖房を付けずに太陽熱で快適に暮らすことができる性能を確保したパッシブハウス認定住宅です。開口部にはUNILUXの高性能樹脂サッシを採用することで断熱と日射取得を両立し、「省エネルギーと快適性」が理想的な形で実現されています。
外壁と木塀には、高い油分と独自の含有成分バランスにより「高い耐久性」「高い耐候性」「高い強度」を持つ屋久島地杉。ウッドデッキのレッドシダー、室内床の北海道産ナラ材、階段のフリーボード(巾はぎ)などの木材はもちろん、ウッドファイバーの断熱材、ビス、透湿防水シートなど、チャネルオリジナルが扱っているさまざまな建材が使われています。
設計/(株)菊池佳晴建築設計事務所 菊池 佳晴
Case.3 宮城県仙台市「大屋根の実験住宅」
特注品として製作された焼スギ浮造り仕上げの外壁に、ダイナミックな開口部が印象的な大屋根の実験住宅です。屋根の勾配によって、太陽光などの自然エネルギーをより多く室内に取り込むことができるつくりとなっています。この住まいにもチャネルオリジナルの木製玄関ドアやサッシ、ウッドファイバーの断熱材、第1種換気システムなどの設備が取り入れられ、省エネをサポートしています。
床・壁にはカラマツパネルを採用し、ウッドデッキには屋久島地杉、外構・中庭には秋保石を取り入れたこの住まい。さらに浴室には青森ヒバ羽目板、洗面台まわりにはモールテックスなど、本物の素材感を存分に楽しめ、全体として調和の取れた意匠性を感じることができる空間を実現しています。
設計/(株)建築工房DADA 渡辺 恭兵
Case.4 秋田県美郷町「美郷アトリエ」
木材を使った新たな取り組みを工法化し、伝統的な民家に学び、熱的特性・意匠性・生産体制など現代の建築における意味を追求し構想した、もるくす建築社のアトリエです。ウッドファイバーの断熱材のほか、木製玄関ドアや北海道産ナラのフローリング、ホワイトオーク・タモのフリーボードなど、室内外のさまざまなところに、チャネルオリジナルの木製品が採用されています。
印象的な開口部には、UNILUXの木質カーテンウォールシステムを採用。熱貫流率と日射取得率が極めて高いトリプルガラス(Ug0.5W/㎡・K、日射取得率52.7%)との組み合わせにより、秋田の真冬でも陽が射せば無暖房で過ごせます。そして太陽熱が土壁・土間に蓄熱され、建物の表面温度を安定させることで数値では表せない心地よさをもたらします。オーク材のサッシ枠はスリム(枠幅50㎜)なためガラスの面積が広くなり、より多くの日射を取り入れることができるほか、バリアフリーなデザインにも対応できます。
設計/(有)もるくす建築社 佐藤 欣裕