大胆な吹き抜け窓が主役
フラットに外とつながる空間
裏手に緑豊かな雑木林が広がる110坪の広い敷地は、自然に恵まれているだけでなく、奥さんの実家にも近く、利便性が良いというこの上ない好条件。この土地が見つかったことで、Sさんの家づくりは一気に進み始めました。
設計・施工をお願いしたのは、デザイン性と機能性を上手に融合させた、コストバランスのよい家づくりが評判のネオス建築です。木の優しさにアイアンを取り入れた素材使いにも定評があります。
ポイントとなったのは背後の緑をどう生かすかということ。そこで大胆にも角の2面を使い、6m近い吹き抜けの床から天井までの全面を窓にしました。「リビングはほとんど外にいるような感覚です。最初は少し落ち着かなかったのですが、慣れてくると自然の中に溶け込むように暮らすのが心地よくなってきました」と笑うSさん。ナラの無垢フローリングを使ったリビングと、ウッドデッキを同じレベルでフラットにつなげているのも特徴です。
異素材の絶妙な組み合わせによる
洗練されたデザインに機能性も
奥さんがこだわったのはキッチンです。家事をしながら子どもたちの様子や外の風景を楽しめるよう、アイランドのオープンキッチンに。見せるキッチンとしてモールテックスの素材感を主張しつつも、木を基調としたLDKの風景になじませています。キッチンから洗面・脱衣室への動線や、奥に独立したユーティリティを設けるなど、機能性も抜群です。
室内は無垢の床のほか、ダイニング・キッチンの下がり天井にもレッドシダーを張るなど、全体的に木の質感を生かした設え。その中に黒い窓枠やアイアンの柱・階段の硬質さを取り入れ、モダンでダイナミックなテイストを加えているのもSさん宅の個性です。
一見すると「見せる」ことに特化したように思えますが、目には見えない家事動線や住宅性能など機能面も充実。「限られたコストの中でも質感を落とさず、機能性も高める」という、ネオス建築の家づくりの理念がよく表れている一軒です。
大きな吹き抜け空間が欲しいということと、キッチンに立ったときに窓の外の景色と、子どもたちの様子が分かるようにしてほしいというのが一番の希望でした。土地を見たときに、背後の緑を生かしたいなと考えてはいましたが、ここまでダイナミックに自然を感じられる家になるとは思っていませんでしたね。木肌のような外壁や、ところどころにアイアンを使った重厚な感じ、また道路からの目線を遮ったことでプライベート感があるのも気に入っています。(Sさん談)