<p札幌市内の坂道を上った先に現れる黒い箱のような邸宅。中に入ると、壁もつや消しの黒一色。1階は寝室や浴室などをまとめたプライベートエリアで、玄関脇に設けた間接照明を設えた洗面スペースも、黒の壁・黒の洗面台でシックな佇まいです。
「Hさん宅は、日本の伝統建築をベースにした高級旅館の動線と佇まいやモダンでシックな上質感を追求しました。今回初めて黒一色の壁にしてみましたが、このつや消しの黒と光のバランスを取るのが、一番難しかったです。でもそのかいあって、キリッと引き締まった黒の空間と、開放感のあるロケーションが見事に調和した住まいができました」と設計の澤田さんは話します。
リビングは2階に。デザイン性の高い箱階段を上がって目の前に広がる景色には、思わず息を飲みます。LDKはロケーションを楽しむことをテーマにした設計。「Hさん宅で一番の核となったのは『景色』でした。この土地を見たら、誰もがこの景色を主役にすると思います」と澤田さん。
どこからでも外の景色を楽しめるよう全面を窓にし、日射の角度も緻密に計算した光と影のバランスが絶妙です。オープンキッチンのIHクッキングヒーターは壁一面の収納とともにビルトインに。シンクも黒一色で、視線を妨げないよう一体化させました。バルコニーの手すりも一部を視線を妨げないよう細いワイヤーにしています。食事をしながらくつろいで、外の景色を眺めることに特化した空間構成です。
1階は、食事以外はここで完結するプライベート空間。こちらも黒い壁ですが、木を効果的に多用し、温もりのある印象。家具を置かなくても済むように、収納や造作で物の置き場所をしっかりつくり、朝・晩のルーティンを効率的に行える実用的な間取りを採用しています。
陰影を計算し尽くした伝統建築の情緒や、落ち着いた品のある高級感。それを現代のセンスにアレンジした一軒です。
札幌市・Hさん宅 スライドムービー
\2023/1/25発売!「北海道の工務店と建てる。」2023年版/
家づくりを始める際に重要となるのがパートナー選び。自分に合ったパートナーにたどり着くためには、まず、どのような選択肢があるかを知ることが重要です。
大きな住宅展示場にモデルハウスを持ち、多数のメディアで大々的に広告している大手ハウスメーカーに比べ、地域の「工務店」は、興味はあってもなかなかその実情を把握しにくいのが現状です。
そこで今回は、それぞれに特徴や強みの異なる工務店との家づくりをご紹介。工務店をパートナーに選んで建てた実例と住まい手の声を通じ、その魅力を紐解きます。
北海道の書店にて発売中!
〈インターネット購入〉Replan webサイト /Amazon /Fujisanマガジン
※インターネット購入・方法についての詳細はこちらからご確認ください