薪ストーブへの注目が高まる今、住まいの改修を機に導入を検討している人も多いのではないでしょうか。福島県広野町で暮らすIさんは、築38年の日本家屋のリノベーションにあたって薪ストーブを設置し、火のある暮らしを満喫しています。
3間続きの和室を、広々としたLDKへと改修したIさん宅。仕上げ材の裏に隠れていた梁や土壁を現しにし、古い家の持つ懐の深さと空気感にミッドセンチュリーの家具が調和した空間を実現しました。この部屋の雰囲気にしっくりと溶け込むように、薪ストーブが鎮座しています。
「日本に昔からあるものを大切にしたいという想いがずっとあり、新築ではなくリノベーションを選択しました。火のある暮らしもその想いから。東日本大震災で電気やガスが途絶えた経験からも、もしものときに暖がとれる昔ながらの暖房器具である薪ストーブに魅力を感じていました」とIさんは話します。
Iさんが一目ぼれしたのが、デンマーク生まれのメーカーHWAM(ワム)の「HWAM Classic 4」。機能美を感じさせるすっきりとしたデザインが、現代の住宅にもなじむ人気の機種で、メーカー独自のオートマチック燃焼コントロールシステムや、室内の空気をストーブ内部で暖めるコンベクションシステムにより、常に最適な燃焼空気を調節して効率よく部屋を暖めてくれます。「調べてみると、dldさんでこの機種を取り扱っていることがわかって」とIさん。奥さんのご実家で同社の郡山ショールームから薪ストーブを購入していたこともあり、迷いなく相談に足を運びました。
リノベーションでの薪ストーブの導入は、新築と事情が異なる部分があります。例えば煙突は、熱効率や燃費の面を考えると、曲げるよりもまっすぐ上に伸ばすのが理想的。新築ではあらかじめ煙突の位置を決めて屋根を葺けますが、リノベーションでは既存の屋根に穴を空けるため、確実な施工が必須です。
実際に設計士や施工会社からは、壁を通す方法を勧められたIさんですが、施工実績が豊富な薪ストーブ専門店が施工してくれるということで直煙突を選択。薪ストーブの燃焼効率やコスト面、見栄えの良さはもちろん、煙突の通し方や薪ストーブまわりのつくりなどトータルに考えて最善のプランニングをしてもらえて、安心だったといいます。
LDKの暖房は、天井に付けたエアコンと薪ストーブを併用しています。夏は暑さを、冬は寒さをある程度感じられる暮らしがいいと考えるIさんは、リノベーションで過度な断熱改修はしませんでした。薪ストーブも部屋の広さに対して容量が小さいのを良しとしてこの機種を選んだため、冬もそこそこ寒いのを覚悟していましたが、思ったよりも暖かく過ごせているといいます。
共働きのIさんご夫妻は、平日帰ってきてすぐに薪ストーブに火を入れ、同時にエアコンも稼働。室温が上がってきたらエアコンは消し、寝るまでの間は薪ストーブで暖を取るという生活を送っています。奥さんは「朝までほんのり暖かさが残っていて、朝の寒さも気にならないですね」と話します。
薪ストーブはライフスタイルの幅を広げてくれるアイテムでもあります。オプションで付けたオーブンで、煮込み料理やグラタンなどを調理して楽しんでいる奥さんは、今後はパンを焼いたり、ローストビーフなどの肉料理にも挑戦してみたいと意欲的です。
今は家族で火のまわりに集うひとときが、忙しい日常の中で家族が一緒にいることを実感できる癒やしの時間になっているというIさん一家。リノベーションならではの薪ストーブ導入のハードルを専門家の力を借りてクリアし、想い描いていた薪ストーブのある日常を楽しんでいます。
薪ストーブ設置・施工/(株)dld(ディーエルディー)郡山ショールーム
福島県郡山市喜久田町卸1-86
https://www.dld.co.jp/showroom/fukushima/