階段部分や薪ストーブ周辺など一部を吹き抜けにすることで1階部分に開放感と採光を確保

今回のこだわりモデルハウス大公開!でご紹介するのは、武部建設の「てまひまくらし」です。

2017年夏、画期的な地域プロジェクト「みどり野きた住まいるヴィレッジ」プロジェクトがスタートしました。札幌からほど近い緑豊かな南幌町で、「クオリティ・ファーストの暮らし」をテーマに、行政と住宅のつくり手が一緒に豊かな街並みをつくるための環境づくりが進められています。

北海道の工務店と建築家がコラボして、それぞれの持ち味を生かした家づくりを行っているのも大きな特徴。そして2018年6月、5棟の個性あふれるモデルハウスがオープンしました。

その中で武部建設がタッグを組んだのは、アトリエmomoの一級建築士・櫻井百子さん。この土地にふさわしい家のイメージとして両者がたどり着いたのが「てまひまくらし」というコンセプトでした。

武部建設と想いを同じくする建築家の櫻井さんは、「武部さんと一緒に、この土地で暮らすということを考えた時に浮かんだのが、てまひまをかけて営む暮らしです。手をかけることイコール面倒ではなく、使うほどに味が出る無垢材や、可変性のある間取りなど、手間も暮らしの楽しみのひとつにしてほしいと考えました」と言います。施工と設計が対等な立場からそれぞれ意見を出し合い、試行錯誤しながら設計を行ったとか。

完成したのは、天井や梁、柱など道産カラマツの構造材を現しにした武部建設らしいダイナミックな木組の内部空間に、櫻井さんの遊び心あふれる洗練されたデザインを組み合わせた、木のぬくもりいっぱいの家です。

「構造自体は、4間×4間の昔ながらの木造民家のシンプルでコンパクトな造りなんですよ。これだと材料の歩留まりもよく合理的なんです。その中で住宅性能や使い勝手、床材などの素材感や機能性など、クオリティは落とさずにデザイン性を持たせた上で、価格も手の届く範囲に抑えました。これがうちが提案する北方型住宅の新しいスタンダードモデルになっていくと考えています」と武部建設の武部代表は自信を持って話します。

今回は両者でプロジェクトの基本コンセプトの確認から始め、設計段階で何回も話し合いを重ねました。また施工過程でも合理化を進め、全体を無駄なくブラッシュアップし、その設計・施工のノウハウも蓄積。今後の展開に繋げていける方向性も模索しました。

気候風土に適した優れた住宅性能を持ちながら、合理的かつ自由度の高い内部空間で、暮らす人がてまひまかけて自分好みに育てていける家。「北海道の暮らしのための家を北海道の工務店と建築家で創る」という確固たる想いから誕生した、新たな北海道スタンダードモデルを、ぜひ体感してみてください。

右:北側廊下を奥から土間へ向けて見返し。コンパクトに配置された水まわりで家事動線が効率的
左:+1ルームからまっすぐのびる北側の廊下。土間が続く広い収納や水まわりが並ぶ
右:室内空間との仕切りはブロック壁と障子の引き戸で。ブロック目地と障子のラインが揃い美しい
左:6畳の広い玄関土間は両側に出入り口があり、室内としても多目的に使える+1ルーム
右:北側の廊下から南側のリビングをのぞむと、正面にはのどかな景色が広がるピクチャーウィンドウ
左:薪ストーブの背後はコンクリートブロック組にし、デザイン性、耐久性と共に薪ストーブのオーバーヒート対策としての蓄熱効果も期待している
右:スキップフロア風の踊り場には、2階の床から続くユニークなカウンターコーナーも造作
左上:屋根の傾斜を生かした寝室は山小屋のような雰囲気。横長の窓からは外の景色と光を取り込む
左下:寝室から続く吹き抜けに設けられたのは床が可動式の物干しスペース。そのままクローゼットにも
2階には美しい夕日が眺められる6畳の広いテラス。軒下も奥行きがあり便利
右:玄関アプローチから続く一体化したカーポートと物置は、雨や雪など天候も気にせず使えて便利
左上:リビングの大窓の下には地窓を設け、暑い日はここを開け風の通り道をつくれるように設計
左下:2階から薪ストーブを見下ろす。床下温水暖房との併用だが、高断熱・高気密なので冬でもこのストーブ1台で充分
三角形の大屋根とカラマツ材を使った外壁がひときわ目をひく。カーポートも木を使い調和

モデルハウス「てまひまくらし」
南幌町美園 みどり野 きた住まいるヴィレッジ内
お問い合わせ:0126-22-2202
http://tkb2000.jp/kita-smile/
◎ホームページ https://www.tkb2000.co.jp