この事例を【スライドムービー】で見たい方はこちら

道北地域の森林を研究する技術職員であるSさんは、森と木のプロフェッショナル。今後の転勤なども考え、美深町に拠点を設けようと家づくりを決めました。

山、空、草木が見える暮らしを希望したSさんが気に入ったのは、木造の母屋と納屋が建つ土地で、2棟とも築年数は相当なもの。中でも特に心を打ったのが、納屋の構造材として使われていた9mにも及ぶシウリザクラという広葉樹でした。「家具材や合板に使うのが主流の広葉樹を、構造材として使っていることに感動し、この素晴らしい古材を生かす技術のある会社を大前提に依頼先を探しました」。

カラマツの外壁を持つ三角屋根のSさん宅。雄大な自然を背景に建つその風景は、まるで物語の1ページのよう
カラマツの外壁を持つ三角屋根のSさん宅。雄大な自然を背景に建つその風景は、まるで物語の1ページのよう
玄関の窓から見える景色はまるで絵画のよう。思いきり深呼吸したくなるような木の香りが出迎えてくれる
玄関の窓からは美しい景色が楽しめる。思いきり深呼吸したくなるような木の香りが出迎えてくれる

構造材ではなく化粧梁としてなら可能という回答がほとんどを占める中、「よろしいですよ」と快く答えてくれたのが新濱建設です。新濱建設は、厳しい自然環境下においても、暑さや寒さをものともしない自然素材に包まれた高性能住宅をつくる会社。木材の自社加工や熟練した自社大工の技術で、ローコストながらも見えないところまで丈夫で長持ちする、世代を超えて住み継がれる長寿命な家の実現を目指しています。

ゆったりとした広さを確保したL字型のキッチンは奥さんの希望を叶えたもの。玄関からシューズクロークを抜けて直接キッチンにアクセスすることができる
ゆったりとした広さを確保したL字型のキッチンは奥さんの希望を叶えたもの。玄関からシューズクロークを抜けて直接キッチンにアクセスすることができる
Sさんがほれ込んだ、シウリザクラの梁が住まいを支えている。「以前の古家は1920年代ごろに建てられたものだと聞いています。開拓の歴史を感じるこの見事な梁が見えるように、平屋を選択しました」とSさん
Sさんがほれ込んだ、シウリザクラの梁が住まいを支えている。「以前の古家は1920年代ごろに建てられたものだと聞いています。開拓の歴史を感じるこの見事な梁が見えるように、平屋を選択しました」とSさん
Sさん宅のメイン暖房は薪ストーブ。炉台はタイルで、炉壁は静岡県の溶岩板をSさんが自ら持ってきたそう
Sさん宅のメイン暖房は薪ストーブ。炉台はタイルで、炉壁は静岡県の溶岩板をSさんが自ら持ってきたそう
「さまざまな野鳥が集まり、キカラシ畑が鮮やかな黄色の花を咲かせ、すぐそこをスーパー宗谷が走って行きます。まさに絶景ですね」と、LDKの大開口からの景色に目を輝かせる奥さん
「さまざまな野鳥が集まり、キカラシ畑が鮮やかな黄色の花を咲かせ、すぐそこをスーパー宗谷が走って行きます。まさに絶景ですね」と、LDKの大開口からの景色に目を輝かせる奥さん

「新濱社長自身も大工で、自社の技術に誇りを持っている姿勢には説得力と安心感がありました。また、古材の活用に関してはもちろんのこと、室工大の鎌田先生の本で住宅性能を勉強し、感銘を受けた私にとって、鎌田先生から多くを学んだと話す新濱社長には性能面でも信頼感を覚えました」とSさん。こうして新濱建設との家づくりが始まりました。

階段を上ると広いロフトがある。テレビ台はSさんによる力作
階段を上ると広いロフトがある。テレビ台はSさんによる力作
2階のロフトは旭川の高校の寮に入っている長男が帰ってきたときに寝起きする場所でもある
2階のロフトは旭川の高校の寮に入っている長男が帰ってきたときに寝起きする場所でもある
ロフトとはいえ、大人が立っても頭がぶつからない高さを確保。20年ほど前に友人がつくってくれたテーブルを置いて、セカンドリビングとして活用している
ロフトとはいえ、大人が立っても頭がぶつからない高さを確保。20年ほど前に友人がつくってくれたテーブルを置いて、セカンドリビングとして活用している

2020年2月、カラマツの外壁、ミズナラの無垢床、天井はトドマツ、引き継いだ古材は梁や大黒柱、窓台や玄関の上がり框などにフル活用して実現した道産木材100パーセントの平屋の住まいが完成。解体した2棟分の廃材は、使えるものは製材し、残りはすべて薪ストーブの燃料に。本来ならば産業破棄物として処理される運命だった木は、Sさんと新濱建設の手によって余すことなく再利用することができました。

広々として使い勝手の良い造作棚と洗面台
広々として使い勝手の良い造作棚と洗面台
階段下は書斎スペースとして活用。「程よくこもり感があってとても気に入っています」とSさん
階段下は書斎スペースとして活用。「程よくこもり感があってとても気に入っています」とSさん
トイレにも木を生かした手洗いや収納を造作。配慮の行き届いた気持ちいい空間になっている
トイレにも木を生かした手洗いや収納を造作。配慮の行き届いた気持ちいい空間になっている
雄大な自然を望む子ども部屋。勉強もはかどりそうな贅沢な景色
雄大な自然を望む子ども部屋。勉強もはかどりそうな贅沢な景色

「森林資源を住宅などに有効活用するためには、大工の技術の継承が不可欠です。古くからの技術と最先端の住宅性能を併せ持つ新濱建設の家づくりこそ、環境に優しいものだと思いました」と、まるで森の中にいるような木の香りに包まれる家の中で、Sさんは語ってくれました。


美深町・Sさん宅 スライドムービー


\2023/1/25発売!「北海道の工務店と建てる。」2023年版/

家づくりを始める際に重要となるのがパートナー選び。自分に合ったパートナーにたどり着くためには、まず、どのような選択肢があるかを知ることが重要です。

大きな住宅展示場にモデルハウスを持ち、多数のメディアで大々的に広告している大手ハウスメーカーに比べ、地域の「工務店」は、興味はあってもなかなかその実情を把握しにくいのが現状です。

そこで今回は、それぞれに特徴や強みの異なる工務店との家づくりをご紹介。工務店をパートナーに選んで建てた実例と住まい手の声を通じ、その魅力を紐解きます。

北海道の書店にて発売中!
〈インターネット購入〉Replan webサイト Amazon /Fujisanマガジン
※インターネット購入・方法についての詳細はこちらからご確認ください