三沢市郊外に完成したSさん宅は、約21坪(42帖大)のLDKが織りなすホテルのようなスケールが圧巻の住まいです。なかでも目を奪うのは、その大空間にそびえる3本の丸太柱。「広くゆったりとした空間に、ほれ込んだクリの丸太柱を使いたい。リビングには薪ストーブもほしい」というのがSさんの希望でした。
そんなSさんの想いを叶えたのが豊川建築工房。同社は、規模の大小やデザインスタイルを問わず、どんな家づくりのイメージにも柔軟に対応。自由度の高い設計と自社大工による確かな施工で、豊富な実績を誇るビルダーです。では、今のSさん宅の姿も見てみましょう。
建築地はSさんのお母さんが住む実家と同敷地内だったため、設計はまず実家との調和を図ることからスタート。外観デザインについては、落ち着いたトーンのモダンスタイルを採用しました。また、既存の庭の植栽を借景として活かせるよう窓は大開口とし、南面道路側の欄間窓にはあえてカーテンを付けず、照明に浮かび上がる丸太を周囲から楽しめるようにしたのもこの家ならではのポイントです。
なお、木造住宅ですが吹き抜け部分にはつなぎ材を使っていません。外壁の見切り部分を化粧材ではなく構造材として使っているためで、これによって広い空間により一層の広がりが生まれ、物理的にも視覚的にもダイナミックな空間づくりを実現しています。
規格外の広さばかりに驚かされますが、住宅性能もしっかり確保。UA値0.5・C値0.2という高い断熱・気密数値を実現し、薪ストーブを使わない日もエアコンだけで十分暖かく過ごすことができます。また、吹き抜けに暖気がたまらないよう天井部分にはシロッコファンを設置し、ダクトで床下まで暖気を送っているのでコールドドラフトなども軽減されます。これだけの大空間でも、温度差に悩むことはありません。
吹き抜けの大開口から四季折々の緑を望み、室内には見て触れて癒されるシンボルツリーのような丸太柱と薪ストーブの炎。まるで森に還ったかのようなラグジュアリーな時間と空間が、家族のくつろぎにつながっています。