石巻市の住宅街に立つSさん宅。オフホワイトとダークブラウンのツートンカラーの外観が暖かみを醸し出しています。いずれお子さんたちが大きくなり、個々に部屋をほしがるようになったときに備え、新築を検討し始めたというSさんご夫妻。「それまで住んでいたアパートが、冬になると玄関で靴が凍るぐらい寒かったため、性能面にはこだわりがありました」とSさんはいいます。そこで選んだのが、高断熱・高気密およびパッシブシステムの家づくりに定評のある地元工務店の鈴木環境建設でした。
木がふんだんに使われた室内は、清々しい香りと温もりでいっぱい。現しの柱や梁が癒しをもたらしてくれます。キッチン、洗面、トイレ、脱衣室、浴室と一直線の動線や、たっぷり収納できる大容量のウォークインクローゼットなど、機能的な暮らしを支える仕様も随所に取り入れられました。
注目すべきはやはり性能面。Sさん宅では独自の断熱工法と標準仕様のトリプルガラスなどで、UA値0.23、C値0.2という高い断熱・気密性能を実現しています。この高性能な住まいの中で最大限に効果を発揮するのが、自然エネルギーを活用するパッシブシステムです。室内外の温度差を利用し、自然な空気の流れで家の中を換気するパッシブ換気と、床下の放熱器で暖められた新鮮な外気を、ガラリを通して家中に行き渡らせる床下暖房。この2つを組み合わせることで、室内の空気はいつも爽やか。どの部屋も一定かつ適温が保たれています。
自然エネルギーを利用するパッシブ換気は、エコで快適性が高いのが大きなメリット。加えて、機械設備に頼らないため、イニシャルコスト・ランニングコストともに抑えることができ、メンテナンスもほぼ不要と、家計に優しいのも魅力です。Sさんは「光熱費はアパート時代と比べて半分以下になりました」とその実力に驚きを隠せないご様子。また、ほんのり暖かい輻射熱がガラリを通してじんわりと上がってくるので、ファンヒーターの熱風のような不快感はゼロ。自然な暖かさがとても気に入っていると語ってくれました。
住まうほどに愛着が増していく木の家で、家族4人の暮らしを楽しんでいるSさんご一家。「一年中快適なので、朝まで起きることなくぐっすり眠れるようになったのが嬉しいですね。子どもたちも冬でも半袖半ズボンに素足で過ごしていますが、風邪をひきにくくなりました」。そう話すSさんの笑顔から、この家の心地よさが存分に伝わってきました。