お子さんの誕生を機に、新居の建設を考え始めたというOさんご夫妻。2020年2月に完成した住まいは、伸びやかな勾配の大屋根に真っすぐ立つ煙突がどことなく山小屋をイメージさせます。傾斜天井の吹き抜け空間にペレットストーブが鎮座する室内もまた、山の中の別荘に遊びに来たような心地よさにあふれています。
この家を手がけたのは、住む人のライフスタイルや心に寄り添い、家族が自然体、等身大で暮らせる家を提供しているあすなろ工房。つくり手主導でも住まい手主導でもなく、一緒に楽しく家づくりをしていくことをモットーとする地元工務店です。Oさんご夫妻も要望や不安要素を伝え、さまざまな提案を受けながら、同社と二人三脚での家づくりを進めていきました。
この家の心地よさをさらに高めているもの、それはふんだんに使われた自然素材です。床は浮造り加工を施した無節のニュージーパイン、壁や天井はスイスの本漆喰のラフ塗りを採用。あすなろ工房ならではのひと手間加えた施工が秀逸です。「棚の高さや位置など、工事が始まってからでも現場での変更にも対応してくれました」とOさん。こうした「かゆいところに手が届く家づくり」ができるのも、自社大工を抱える同社の強みといえます。
全窓にトリプルガラス(樹脂サッシ)を採用するなど、性能面にもしっかりとしたこだわりが。傾斜天井に設けられた天窓や、東西に吹き抜ける浜風を享受できる窓をはじめ、採光や通風もしっかりと考慮されており、パッシブでエコな暮らしをサポートしてくれています。
新居には、共働きをしながら1歳になるお子さんを育てるOさんご夫妻のための、家事や子育てを楽にする仕様が随所に。「私にも3人の子どもがおりますので、妻の意見なども参考にしながら、家事の負担を抑えられる提案をさせていただきました」と、同社の白出将基さんは語ります。食材などを買い物して帰った際、玄関からリビングを通らずともキッチンにアクセスできる動線もその一つ。さらに、ユーティリティに設けられた汚れ物などをつけおき洗いできるスロップシンクや、独立した洗面台など、お子さんのいる家庭には嬉しい配慮がたくさんです。
「家事がしやすくなり、ポジティブに働けるようになりました」「朝日が入るダイニングで、家族みんなで朝食を摂る時間が何よりも楽しみになりました」とご夫妻ともども大満足のご様子。天然素材の温もりに満ちた家で、自然体な暮らしを満喫しています。