200mm〜300mm断熱の外壁に窓をどのように取り付ける?
窓サッシを木造住宅に取り付けるとき、ほとんどのサッシは、柱の外側の角にあてがって、サッシのつばを釘やビスで留め付けるようになっています。これを半外付けサッシと呼んで、日本の標準となっています。外壁をモルタルで仕上げていた昔はサッシを柱の内側につけるのが普通で、これを内付けサッシと呼びます。
北海道では、モルタルからサイディングへの移行が早かったため、サイディングをサッシの横にぶつけることができるように半外付けになり、これが日本中に広がったようです。壁の断熱を厚くして200mm〜300mmとなっても、柱にサッシを取り付ける木枠を設け、一番外側にサッシを取り付けるのが普通です。この場合、窓を室内側から見ると、すべての窓が出窓のようになります。これは住み手にとっては嬉しいことかもしれません。しかし、出窓は結露しやすいのです。窓の下側がよく結露しますが、これが出窓では激しく起こります。また最近の研究で、このような取り付け方は、窓の周辺部からの熱損失が大きくなることがわかっています。
図-3に、210mm断熱の壁に半外付けと内付けにした場合の熱解析の図を示します。この図の範囲での熱損失が、内付けに比べて半外付けのほうが10%以上も多くなり、サッシ枠と周辺ガラスの温度が1〜3°Cも低くなることがわかります。ただでさえ結露しやすい条件下で、この温度の違いはとても大きな差になります。またこのような熱損失は、日本ではまだ計算に入れていないのですが、QPEXではできるだけ早く計算できるようにしたいと考えています。この図は外壁をサイディングで納める場合ですから、サッシがサイディングとぶつかるようにサッシ自体が外側に長いつばを持っていると想定しましたが、このようなサッシは、ちょっと前まではありましたが、最近は手に入らないようです。結局欠点が多いことがわかっていても、半外付けで付けるしかないことになります。