Magnifico建築スタジオ / 福島県・Tさん宅 本人30代
TさんがMagnifico(マニフィコ)建築スタジオを知ったのは、偶然でした。「帰省したときにたまたまオープンハウスのチラシを目にして…。そこに載っていた家が平屋で格好良かったんです」。仕事の都合で県外に住んでいたTさんですが、地元の福島県に戻ることが決まって、ちょうど家を建てたいと考えていたタイミングでした。平屋で育ち、「住むなら平屋」と思っていたTさんはすぐに問い合わせをして、迷うことなく依頼を決めたといいます。
家づくりは、土地探しからスタートしました。数ヵ所見てまわった中から、希望条件に挙げていた「平屋を建てられる広さ」「両親の家からあまり離れていない場所」を満たす土地を見つけて購入。当時はまだ他県に住んでいたため、プランニングや設計の打ち合わせはメールやLINEのやりとりが中心で「施工中に見に来れたのは1回くらいでした」とTさんは振り返ります。
Magnifico建築スタジオ代表の橋本剛さんは「その都度、サンプルやカタログを送付して決めていただいたので、Tさんにはお手間をかけてしまいました」と話しますが、好みや目指すイメージがはっきりしていたこともあって、家づくりはスムーズに進みました。
完成した新居は、すっきりとした片流れ屋根の平屋。外壁はブラウンと黒の2トーンでシンプルに仕上げました。ガレージ前に設けたパーゴラのような構造材が外観にインパクトを与えます。
玄関ドアを開けると、外観のブラックから一転して床も壁もホワイトを用いた明るい空間が広がります。LDKでまず目に飛び込んでくるのが、格子状に組まれた現しの梁。構造体の強度を高めるとともに、シンプルなリビング空間に個性をもたらし、外のガレージ部分との意匠的なつながりも感じさせます。
キッチンは対面式。腰壁にはモールテックスを用いて、存在感を持たせました。背面収納は冷蔵庫まで隠せる3枚引き戸付きで、来客時は目隠しができます。また、角型ダウンライトを採用するなど、徹底して「曲線」を排除し、Tさん好みのスタイリッシュさが際立つ住空間を生み出しました。
「両親や友人が遊びに来たときに泊まれるように」と設けた和室やTさんの寝室は、床と壁の色を部屋ごとに替えて単調にならないように工夫。趣味の多いTさんのために、収納スペースも多めに設けたといいます。
「遠距離でのやりとりでしたが、橋本さんは対応が丁寧でいつも的確なアドバイスをくださいました。家づくりは分からないことも選ぶこともたくさんありますが、すべて教えてもらえたので、安心して進められました。実はこたつを買ったのですが、家が暖かいので出番がありません(笑)。それくらい快適です」とTさん。故郷での新生活を、心地よく過ごしています。