プレカット工法が増えた昨今、大工といってもその技量はさまざま。その中にあり、荒木から部材を削り、継ぎ手の切り込みなどを手作業で仕上げる伝統技術を受け継いでいるのが、武部建設の自社大工たちです。

「大工は腕を売る仕事。手間をかけてきちっと家をつくるのが誇りです。しかし今は集成材を使うことも多く、新しい工法も覚えなくてはならない。幅広い技術を持って何でもこなせないと一軒の家を建てられません」と語る大工・船田慎人さんもその一人。同社では在来工法による新築のほか古民家再生にも力を入れており、その経験が糧になっているそう。

「うちは手作業が多い現場なので伝統工法の技術が残っているほうですが、それでも古民家の構造を見たり解体や再生に携わると、昔の技術はすごいなと感じるし、とても勉強になります。また武部建設の現場では年配の大工と一緒に仕事ができるので、その豊富な経験と知識を学べることがありがたいですね」

最新工法でも古民家再生でも、必要なのは技術と経験。先人が培ってきた伝統の上に現代のニーズに適応した技量を積み上げ、どんな仕事がきても「腕」で応えられるようにと、日々研鑽を続けています。
取材協力
武部建設 株式会社