管理建築士である阿武隈川哲郎さんが率いる、設計から施工まで一貫して請け負う小さな建築事務所「LITTLE NEST WORKS」。何度もお施主様と対話を重ね、ときには一緒に悩みながら「お客様の想い」をカタチにしていくことを大切にしています。
LITTLE NEST WORKSがつくる家は、洗練された美しいデザインが特徴。しかし、決してデザイン重視の家ではありません。暮らしやすさや手入れのしやすさ、後から必要になるコストまでをしっかり視野に入れて、プランニングを行っています。デザイン性とコスパの良さ、施主に寄り添う姿勢が評判となり、最近は県外からも問い合わせが相次いでいるとか。
中島村の市街地に建つIさん宅もそのひとつ。住宅街の中でひときわ目を引く洗練されたコートハウスの玄関ドアを開けると、目の前に奥行き約10m、幅2.7mの広い中庭が広がります。白い壁の上には、鮮やかな青空。夜には、星空が眺められる自然を身近に感じるお住まいです。
阿武隈川さんは、「施主のIさんが、スポーツやアウトドア、旅行が好きなアクティブ派と聞いて、リビングと一体化した使い方をすることで、家の中にいながらバーベキューやランチを楽しめる中庭のある家を提案しました」と話します。間取りは、中庭を中央に、右側にLDKなどのパブリックスペース、左側に主寝室や子ども部屋、水まわりなどのプライベートスペースを配置。平屋なので階段の上り下りも不要で、掃除・洗濯なども全て1階で完結できて、老後も快適です。
内装は、リビングに置いたIさんお気に入りの「ジャーナルスタンダードファニチャー」のレザーソファに合わせ、白とダークブラウンで家全体をトータルコーディネート。ダイニングのアメリカンな照明は、家で友人とお酒を楽しむことが多いというIさんのライフスタイルに合わせて造作。間接照明とともにバーのような雰囲気を演出しています。
デザイン性の高さに視線が向きがちですが、冷暖房効率を上げるため、断熱性の高い窓ガラスを採用したり、中庭のタイルをはじめ、将来の補修に備えて耐久性の高い素材を提案したりと、「住み続けてからのコスト」もしっかり視野に入れた印象的なIさん宅でした。