Us Styleという社名にも込めた思い、それは「私たちのスタイル」づくり。好きなものや個性を大事にする同社の家づくりは、家族の「物語」として住まいに表れています。今回は、宮古市に暮らすKさんご家族の物語をご紹介します。
信頼できる人と出会い
始まった2度目の家づくり
「虫取り網、早く早く!」「そっちにトンボ行ったよ!」「えっどこどこー!?」。
静かな山あいに、子どもたちの元気な声が響きます。すぐそばには川が流れ、小さな田んぼも点在する、郷愁をかきたてられるロケーション。それを見下ろすようにして建っているのがKさん宅です。大きな切妻屋根を支える外壁は世界でもっとも美しい漆喰ともいわれるスペイン製漆喰の塗り壁で、玄関まわりの壁はレッドシダーのシングルパネルを、2階には木製パネルの観音開き窓が設けられています。シックなダークグレーの壁に明るい木部、それを縁取るように屋根やテラスは黒で統一した、印象的な外観です。
「私たちが買い物をするときの基準は『人』。たとえそれがどんなにいいものでも、店の人が適当だったら買いたくなくなると思いません?服でも家でも何でも、その人から買いたいかどうかで決めます」。
きっぱりと話すのは、オーナーのKさん。実はKさんは23歳の時に、初めての家づくりを経験しています。とあるメーカーから「アパートに住むより建てた方がいい」といわれ28坪の住宅を建てましたが、子どもが生まれるとあっという間に手狭に。和室の増築を頼むも、1000万円という法外な予算に諦めざるをえませんでした。
そこで、家を売るべくさまざまなメーカーを訪問。その中でUs Styleの久保田功輝社長だけが「絶対売れる、大丈夫」と言い、売却先と土地探しに奔走。1年後、無事住宅を売却し現在の場所に土地も見つけたのです。
「多少時間がかかっても『このご家族の家を建てたい』と願い続ければ実現します」。
自らの信念をそう話す久保田社長。その力強い言葉に後押しされ、Kさんご家族の2回目の家づくりはスタートしました。
美しく住まうヒントは
隠さない・仕切らない
家づくりにあたり、Kさんご夫妻が希望したのは「土間が欲しい」「和室が欲しい」「薪ストーブが欲しい」「室内にドアはいらない」「無垢材を使いたい」といったこと。「前の家づくりで失敗した部分もあったので、余計なものは置かず、仕切りもいらないと考えました」と振り返ります。3人の子どもたちと暮らす忙しい日々、シンプルな住空間の方が使い勝手がよいことを、Kさんご夫妻は体験から学んできたのです。
玄関ドアは安全性を考えて引き戸タイプに。開けると念願の広いコンクリート土間が広がります。上がり框まで続く、回廊のように贅沢なアプローチの一角には聚落畳を敷いたコンパクトな和室が。LDKとは完全に隔離され、小さな離れのような空間です。
1階のLDKは、見上げるような吹き抜けを持つ大空間。オーク無垢材の床が心地いいリビングには薪ストーブが置かれ、キッチンとの境には大きな造作ダイニングテーブルを設置。シンク下のスペースや2階に集約した家族全員のクローゼットなど、収納部をすべてオープンタイプとすることで、モノを「隠す」から「見せる」へと意識も変化したとKさん。仕切る・隠すという住宅のセオリーにとらわれないことで、むしろ住まいは美しく整えられるのです。
外観とトーンを合わせた1階とは一転し、家族の寝室がある2階は明るくカラフル。子どもたちの好きな色が塗られた室内はロフトスペースはあるもののコンパクトな造りとし、主寝室も収納を排してシンプルに。その分共有スペースを広く取り、奥さんが希望していた大きな書棚をつくりました。
「いつも家族みんながリビングにいるし、よく外で遊ぶようになりましたね」。
日々の変化を嬉しそうに話すKさん。穏やかで健やかな暮らしが、そこにありました。