このところ日に日に風が冷たくなって、秋の気配が濃くなって、そろそろ薪ストーブの火が恋しい季節が近づいてきました。家づくりにあたって「憧れの薪ストーブを家に入れたいけど、どうしようかな」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
薪ストーブを「週末だけの補助暖房に…」という心づもりで使い始めたら、その質の高い暖かさに魅了されて主暖房で使うようになってしまった、という話をよく耳にします。主暖房として使うとなると、それなりの量の薪を消費しますし、広い薪置き場も必要です。当然、ライフスタイルも変わってくるでしょう。
そこで今回は、薪仕事や庭づくりなど、毎年少しずつ暮らしや環境を整えながら、自分たちらしい家をつくり上げているご家族の「薪ストーブのある暮らし」をご紹介します。
北海道恵庭市に暮らすWさんが、この地に家を建てて8年。色鮮やかなボーダーガーデンが前庭を彩り、ブルーベリーやハスカップ、野菜がたわわに実る広い畑では子どもたちが元気に駆け回ります。美しく積み上げられた薪は幾冬を越すにも十分の量が確保されています。
「1年目、2年目はとにかく薪の調達と薪ストーブの扱いに慣れることで精一杯。3年目からやっと庭や畑、薪小屋など周辺整備に手をつけることができました」と語る奥さん。8年目を迎える今では、庭や薪小屋も整い、新築時からは見違える風景です。
最初は憧れから導入した薪ストーブですが、今では家族に欠かせない存在に。薪ストーブをきっかけに、友人たちが集まり、ご近所さんとの交流も深まって、よいコミュニティを築けているそうです。
それまで薪割りなどしたことのなかったWさんでしたが、家を建ててからは薪割りからDIY、畑仕事までこなすように。奥さんも念願のガーデニングができるようになり、庭づくりも本格化。今はバラのアーチづくりに挑戦中です。
「生活の中心に薪ストーブがあって、夏は薪仕事、秋から冬は薪ストーブを囲んで家族や友人と楽しく過ごしています。息子たちがもう少し大きくなったら、一緒に薪割りができるかなと期待しています」とWさんは楽しそうに話します。
冬の暖かさはもちろん、家族や人をつなぐコミュニケーションツールとしても、大切な役割を果たしている薪ストーブ。「次は何をしようかな?」とWさんご一家の薪ストーブ暮らしには楽しみが尽きません。
設計・施工:(有)北清建設
恵庭市黄金南3丁目1-17
https://www.hokusei-kensetsu.com