「良いデザインの家」とは、見た目も間取りも、省エネ・省コストにつながる住宅性能も、トータルに考えデザインされた家。Replanでは「美しく暮らす 東北のデザイン住宅2019」の発刊に合わせて、そんな家づくりに取り組む東北の住まいのつくり手の声をお届けしていきます。今回は、福島県二本松市で注文住宅を手がける株式会社ADXの安齋好太郎さんです。
福島県郡山市・Fさん宅/夫婦40代、子ども1人
設計・施工/(株)ADX(旧 Life style工房) 安齋 好太郎
クライアントの希望を叶えるプラスαの提案力を大切に
家づくりにおいて大切にしているのは、クライアントの生活目線。派手なデザインや演出ではなく、パーソナルスペースへの配慮や自由度の高いプランニングで、その人のライフスタイルに合った住環境をつくることです。住まい手が描く新たな家での暮らしのストーリーを考え、敷地の地形や光の射し方や、風の流れを考慮。さらに、地域の環境や文化、建築に用いる素材も見極めます。先々までを見据えた住宅デザインで、クライアントが望む以上の提案を実践しています。
斬新さと温もりが共存する暮らし
「ワクワクするような家に住みたかった」というご夫妻の思いを形にした住まいです。24坪ほどの狭い敷地のため、3階建てのプランに。1階には玄関ホールと和室など、そして玄関前には車2台分の駐車スペースと駐輪スペースも確保しています。2階にLDKと浴室などの水まわり、3階に家族3人の個室と、大きな1枚ガラスの窓に仕切られたフリースペースを設けました。
それぞれのフロアで、各部屋がまるでパズルを組み合わせるようにつながっているので、その分敷地との隙間にさまざまな大きさや形の自由な空間が生まれました。この空間こそ、植物好きのFさんがプランターや鉢で植物を楽しめる「庭」となりました。
内外壁などさまざまな場所に、日本の森を活性化しようと誕生した、これまでにない独特の木の質感を醸し出す木製ブロック「WOOD.ALC」を用いました。その木の質感と光をたっぷり採り入れる窓、そして全体を覆うアルミ製エキスパンドメタル。この組み合わせが限られた敷地の家に個性を生み、広さと楽しさ、可能性をもたらしています。
■建築DATA
構造規模/鉄骨造・3階建て
延床面積/97.57㎡(約29坪)
株式会社ADX
デザイン住宅実例
〜kamome house(リノベーション)〜