「良いデザインの家」とは、見た目も間取りも、省エネ・省コストにつながる住宅性能も、トータルに考えデザインされた家。Replanでは「美しく暮らす 東北のデザイン住宅2019」の発刊に合わせて、そんな家づくりに取り組む東北の住まいのつくり手の声をお届けしていきます。今回は、宮城県仙台市を拠点に注文住宅を手がける株式会社本間総合計画の本間貴史さんです。
静岡県熱海市・Mさん宅／夫婦50・30代、子ども3人
設計／（株）本間総合計画 本間 貴史
施工／（株）デグチホームズ
建て主さんの思いを徹底して追求する建築家でありたい
大切なことは「どんな家に住みたいか」ではなく「どんな暮らし方がしたいのか」なのだと思います。「どんな家に住みたいか」というのは、機能や性能などに関わる部分です。これらを叶えるのは、建築家として当然のことです。
「どんな暮らし方がしたいのか」というのは、建て主さんの持っている夢や生きがい、日々の生活などすべてを含む日常生活のことです。この日常生活を反映させて、「家」という形にしていくために、いろいろなお話をお伺いさせていただきます。住まいはライフスタイルを映し出す鏡のようなものだからです。
建て主さんご家族と設計する私たち双方の価値観を合わせていくことが、満足できる家づくりのポイントだと思います。
非日常を演出する癒やしの住処
静岡県熱海市に建つ別荘の計画です。熱海は、開湯1500年の歴史を持つ人気の温泉保養地です。この計画にあたり建て主さんからの要望は、①温泉を楽しみたい②子どもたちとの時間を楽しみたい③友人たちとの食事と会話を楽しみたい、という三楽の追求でした。
計画地は相模湾を一望できる東側に傾斜した高台にあります。熱海では海上花火大会が年に十数回開催されることから、花火が打ち上げられる相模湾の堤防に合わせて、海を望む方向に建物の角度を振る計画としました。さらに花火を満喫できるように、家族やゲストが集まるコンバーチブルガーデン、リビング、書斎、浴室を2階に配置。
サウナを備えた浴室は、ヒノキの内風呂では温泉を楽しみながら、バルコニーのジャグジー風呂では通年の花火見物はもちろん、春には見事な桜も堪能できます。また、アクティブなお子さんたちとの時間を楽しむために、雲梯・ブランコなどの遊具やテントスペースを配置した外構計画、玄関の吹き抜けにはボルダリングの壁を設置しています。
ここは、多忙な建て主さんにとって癒やしの週末住宅であるとともに、ゆくゆくは快適な終の住処となる場所なのです。
■建築DATA
構造規模／木造・2階建て
延床面積／328.21㎡（約99坪）
株式会社本間総合計画
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