安心で充実した薪ストーブライフに欠かせない存在。それは、薪ストーブを深く理解しサポートしてくれる地域の薪ストーブ店です。今回は、南郷通沿いにショールームを構える札幌市白石区のサカシタペチカさんをご紹介します。
バーモントキャスティングスの
薪ストーブに魅せられて
薪ストーブや暖炉の販売・施工に携わって38年になるサカシタペチカの代表、坂下雅徳さんは、もともと暖炉やペチカ、レンガ工事などをしていた先代の社長である父親の仕事を、設計の傍ら手伝っていました。転機は平成に入ってすぐ、お父様が逝去された後のことでした。ログハウスの雑誌を見ていた坂下さんは、ある広告に載っていた一枚の写真に目を留めます。それは「バーモントキャスティングス」の薪ストーブ。それまでに見知っていたヨツールやモルソーの薪ストーブとは趣や佇まいが異なり、妙に心が惹かれたといいます。
心が動くまま、坂下さんは販売元のファイヤーサイドに電話を入れます。北海道では実物が見れないと分かるとすぐに、ファイヤーサイドがある長野県駒ヶ根市に向かいました。バーモントキャスティングスの薪ストーブの揺らめく炎を目の当たりにし、「こんなに美しく燃えるなんて!」と感動した坂下さんは、その場で北海道での販売を交渉。「このストーブを自分の手でお客様に届け、しっかりとアフターフォローもしていきたい」との思いから、サカシタペチカは、北海道で初めてのバーモントキャスティングス販売代理店となったのです。
人気機種は、幅広いニーズを満たす
「アンコール」と「F500」
サカシタペチカのショールームには、通りがかりの人から雑誌やウェブサイト、テレビの情報番組などさまざまなきっかけでお客さんが訪れます。実際に薪ストーブの設置を検討しているお客さんの中で多いのが「うちは薪ストーブをメイン暖房で使う予定はなくて、補助暖房だから」とか「週末に炎を楽しみたいだけだから」などという理由で、小さめな薪ストーブを希望するケース。
もっともな理由ですが、坂下さんはこれまでの経験から、必ず大きめなサイズについても説明するといいます。なぜなら、一度薪ストーブを使うとその暖かさが心地よくてメイン暖房として使うことにしたり、よりさまざまな方法で薪ストーブを活用したいというお客さんが多いから。「小さいと家全体を暖めるには能力が足りません。だからメイン暖房で使っても最低限耐えられるサイズをおすすめするんです」。長く満足して使ってもらうためにも、説明は欠かせないといいます。
ちなみに、サカシタペチカで人気の機種は、バーモントキャスティングスの「アンコール」とヨツールの「F500」。いずれも炉内が比較的広くて大きな薪も入れられ、通常の広さの家ならメイン暖房として使える能力が備わっていて、トータル的に多くの人のニーズを満たすのが、人気の理由。ストーブトップにケトルや鍋を置いて温めたり、炉内にスキレットを入れて調理したりしやすいのも魅力です。
カタログを見ただけで
薪ストーブを選ぶのは、危険
ショールーム内を見渡すだけでもわかるように、薪ストーブのメーカーはいくつもあり、機種も多様です。当然それぞれ性能に特徴があるので、デザイン、使用目的などお客さんの望む導入条件やライフスタイルによって、選ぶべき薪ストーブは異なります。だからこそ「カタログを見ただけで薪ストーブを選ぶのは、危険」と坂下さんは強調します。
「まずカタログだけではサイズ感がわかりません。寸法は書かれていますが、想像と実物にはズレがあることがほとんどです。それにカタログの情報だけで、自分たちに本当にふさわしいのがどのストーブなのかを判断するのは、とても難しい。例えば『35cmの長さの薪が入ります』と書かれていても、実際には入らないことがあります。それは、『35cm』が薪ストーブの炉内の一番広いところのサイズで、ドアの形状や炉内の高さを踏まえずに入る薪の長さをうたっているからです。炉内に安定して薪を入れることができなければ、薪ストーブを十分に楽しむことができませんよね」。
長年薪ストーブのある暮らしをサポートしてきた坂下さんは、「カタログは参考程度にして決して鵜呑みにせず、ショールームで実物を見たり、話を聞くことが大事」と話します。薪ストーブをご検討の方は、ぜひお店で広くて深い薪ストーブの世界を感じてみてくださいね。
(文/Replan編集部)
株式会社サカシタペチカ
北海道札幌市白石区南郷通10丁目北1-22
TEL/011-863-6600
営業時間/月~土 9:00~18:00 日・祝 10:00~16:00
交通アクセス/地下鉄東西線 南郷13丁目駅より徒歩5分 ※駐車場有り
https://sakasita-pechika.com