「温度差がない家づくり」をテーマに、高性能住宅を手がけてきたタックホーム。その実力は、全国の優れた省エネルギー住宅を表彰する、「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」を7年連続受賞していることからも明らか。耐震性を極めたキューブ構造をベースに、それぞれの家族に合わせた設計を得意とする技術集団です。
北側採光や換気など快適性にも取り組み、ヒートポンプ式パネルヒーターの導入実績やノウハウも豊富。近年はよりエネルギー負荷の少ない家づくりを追い求め、すでに30棟以上のゼロエネ住宅を手がけています。
そんなタックホームが手がけたYさん宅は、はっと目を引くウエスタンレッドシダーの色合いと開放的なデッキが印象的なゼロエネ住宅。見上げる大屋根には7.1kWの太陽光発電パネルが搭載され、外観からすでに素材感のよさと性能の高さを物語っています。
これまでさまざまな住宅メーカーの見学会を何年もかけてめぐってきたというYさんご夫妻が、理想の住まいを思い描き辿り着いたのが、タックホームです。共働きで、子育てにも忙しい一方で自然素材への思いも強く、機能性と快適性の両立は欠かせないテーマでした。
お二人の暮らしのイメージや要望を形にしたマイホームは、室内はリビングを中心に、小上がりとダイニング・キッチンを一体化したコンパクトな動線。中でも奥さんが気に入ったのが、キッチンと小上がりをつなぐ大きな造作ダイニングテーブルの配置。テーブルの下は掘りごたつのように段差がついており、小上がりに椅子のように座りながら食事ができます。忙しい朝食や、子どもたちの宿題を見るなどフレキシブルな活用が想定されています。
素材の心地よさも特徴的。室内には明るいパイン材を使用し、壁や天井にはドイツ生まれの壁紙、ルナファーザーを採用。吹き抜けの上の傾斜天井や2階の寝室は天井にパイン材を使用するなど、木と壁紙を使い分けることで空間にメリハリを生んでいます。自由な色選びが可能なヒートポンプ式パネルヒーターはグリーンを選択、ナチュラルな空間のアクセントになっています。
住宅性能の向上に長年取り組んできた同社の立花社長は、震災を経て人々の意識が変化したと指摘。「エネルギーへの関心が高まり、よりエコな住まいを求める人が東北で増えている」と話します。住み心地とエコを両立した、これからの暮らし方を体現した家が完成しました。