キッチンに立つと正面にはゆとりのある中庭。中庭によって外部とのつながりが強まり、3方を囲まれているためプライベート感も高い

「かまくら」で知られる多雪地帯の閑静な住宅地の一角に建つ平屋の住宅。建物は、ストレージ・パブリック・プライベートの3つのブロックが中庭を中心に配置され、庇レベルの低い屋根の「つなぎ空間」で連結されています。キッチンに立つと正面にはゆとりのある中庭があり、これによって外部とのつながりが強まるうえに、3方を囲まれているためプライベート感も高いなど、横へ広がる開放的な住空間の演出と、生活空間の利便性を両立させることで、平屋ならではの住まいを実現しています。

◎家族構成:夫婦40代、子ども2人
◎構造規模:木造・平屋建て
◎設計:木曽善元建築工房
◎施工:(有)佐々木工務店

リビングから玄関方向。斜めに吹き上げた天井を生かしハイサイドライトを設けた。季節や時間の経過とともに、空間に導かれる光も変わっていく

小上がりになった和室からリビング越しに庭を楽しむ。シンプルな室内の仕上げに、中庭の緑が映える

プライベートブロックの一番奥にある寝室。窓から美しい庭とストレージブロック・パブリックブロックが見渡せる配置

玄関ホールからリビングを見る
玄関に入るとシンプルな空間と地窓。窓の外に広がる中庭の雰囲気が伝わってくる

リビングと中庭をつなぐ大きな窓は木製の造作。開け放した時には外壁部分に重なり、開口を広く確保できる

中庭からLDKを見る。3つのブロックに分けられた空間はそれぞれに異なる屋根形状を持ち、家族が集うメインのパブリックブロックは吹き上げになっている

パブリックブロックとプライベートブロックの間にあるウッドデッキ
子ども室の前の廊下からパブリックブロックを見る。窓越しにLDKの様子が伝わる仕掛け

ファサードには大きな開口がなく、周囲に圧迫感を与えないデザイン。左側には玄関へのアプローチがあり、右手には中庭への入り口がある

平屋の可能性を最大限生かした多雪地帯の住まい 図面