手間暇を惜しまない大工の手技と、北海道の気候・風土が育んだ道産材が魅力の家づくりに取り組むカサシマ建設は、その経験と技術を生かしたきめ細かなアフターメンテナンスにも定評があります。工務店として引き渡した後まで住まう人の暮らしに心を寄せ続ける想いと責任、末永いおつき合いの大切さについて、同社の笠島 守代表にお話をうかがいました。


いつまでも 安心で頼もしい “住まいの見守り隊” を目指して

アフターメンテナンスや
住まいの相談事への対応は
私たちの家づくりの一環

ーー 家は建てた後も何かと相談事が多いですが、カサシマ建設ではアフターメンテナンスについてどのように考えていますか?  

私たちは1985年の創業以来、札幌市内を中心に400棟以上の新築住宅を手がけてきました。ご依頼のきっかけはお施主様や知人のご紹介、インターネット、オープンハウスなどさまざまですが、建物自体はもちろん、対応した担当者とのやりとりや人柄からお客様がつながりや縁を感じて、家づくりのパートナーとして当社を選んでくれている面があると思います。

カラマツやトドマツ、エゾマツなどの道産無垢材をふんだんに使用したカサシマ建設の家
カラマツやトドマツ、エゾマツなどの道産無垢材をふんだんに使用したカサシマ建設の家

だからこそ、良質な家の建築と同等に、お施主様との長いおつき合いを大切に考えています。建てた後まで住宅を気にかけるのは、地域の工務店として当然のこと。自社工場を持ち、大工や職人、設計や営業担当がワンチームで家づくりに取り組む強みを生かし、建築後に起きてしまう大小の問題に対しても、ベストな対策・提案を行うよう心がけています。

アフターメンテナンスや住まいの相談事への対応は、私たちの家づくりの一環です。チーム一人ひとりが持ち味を生かしながら、「逃げない、裏切らない」姿勢を持ってお施主様の声に向き合う。私たちはこれこそが「地域の工務店」の役割であり、在るべき姿と考えています。

ーー カサシマ建設ではどのようなアフターメンテナンスや保証を実施していますか? 

お引き渡し後の半年・1年・2年後に定期点検を実施するとともに、不具合が見つかった場合はその都度、直ちに整備や修繕にうかがっています。無垢材で造作した家具や建具については、特に不具合が起きやすい入居後2年間、自社の大工や職人による建て付けなどの調整を無償で実施。保証については、日本住宅保証検査機構(JIO)による10年保証の住宅瑕疵担保責任保険に加入しています。

高断熱化を重視したMさん宅のリノベーションでは外断熱を付加し、すべての窓をペアガラス入りの樹脂サッシに交換。壁厚が増したためにできた窓台は、愛猫たちのくつろぎの場に

ーー 建築のプロとしては住まいのメンテナンスについてどのように考え、お施主様に伝えていますか?  

初めて家づくりをされる方はイメージするのが難しいかもしれませんが、家づくりは「完成」が第2の出発点。良い状態を保つには、維持管理が重要です。

例えばFF式灯油ストーブや寒冷地用エアコンを暖房に採用したら、排気筒や室外機が雪で埋まっていないかを小まめに点検し、場合により除雪が必要です。今の住宅で一般的な第3種換気システムは、定期的なフィルターの掃除や交換が欠かせません。気にかける部分がたくさんあることをお施主様にはお伝えしています。

ものづくりについて楽しそうに語る笠島代表。新築でもリノベーション・リフォームでも「本物」の素材を生かすことにこだわっているという
メンテナンスの重要性について語るカサシマ建設代表の笠島 守さん

ーー 無垢の木をふんだんに使った家だからこその注意点もあるのでしょうか。  

ありますね。木を熟知した大工が細心の注意を払って施工や造作をしても、急激な湿度の変化で反ったり割れたりすることがあります。お施主様にはまず無垢材の特性をご理解いただくとともに、不具合をできるだけ防ぐために「冬場でも室内の湿度を50%前後に保てるよう加湿してください」など、具体的な対策をご説明しています。

また木の温もりの心地よさや木肌の美しさを長く保つため、年に1度のワックスがけや定期的な塗装の塗り直しなどもご案内しています。

自社加工の道産カラマツ材の無垢床は、浮造り仕上げで足触りが優しく温かい。傷が目立ちにくく、愛猫たちにとっても歩きやすいそう
自社加工の道産カラマツ材の無垢床は、浮造り仕上げで足触りが優しく温かい。傷が目立ちにくく、猫や犬などペットの脚にも優しい
ナチュラルな無垢の木の素材感が気持ちいい玄関ホール。補強して既存を生かした階段との新旧のコントラストが、リノベーションならではの味わいに
新築でもリノベーションでも、カサシマ建設では無垢材をふんだんに用いている

ーー 一般にお施主様は家の構造や設備など分からないことだらけだと思いますが、不安を解消するために行っていることはありますか?

私たちは工事契約の際、出来上がったプランにのっとって作成した「住まいの説明書」をお施主様と確認し、同意をいただいています。

例えば、基礎の表面にクラックが入っても構造的な問題はないこと、屋根の構造上、雨音が響きやすいこと、屋内に侵入しうる虫の対処法など、項目は多岐にわたります。これはお施主様の不安の解消につながりますし、何かあった場合の対応の判断基準にもなっていますね。

2階にあった2部屋のうち、1部屋は階段室との間の壁を取り払い、オープンな書斎スペースに変更。トドマツ材のベンチとデスクは、カサシマ建設で造作した 3.高断熱化を重視したMさん宅のリノベーションでは外断熱を付加し、すべての窓をペアガラス入りの樹脂サッシに交換。壁厚が増したためにできた窓台は、愛猫たちのくつろぎの場に

また、「住まい手自身が家の状態に関心を持ち続ける大切さを伝え、相談しやすい環境をつくることも工務店の責任」と考え、社員教育にも力を入れています。それによって認識のすれ違いを減らし、お施主様といつまでも気持ちのいい関係でいられると考えています。

常に身近に感じてもらえるよう
0B・OGのお施主様へ
自社の活動を積極的に発信

ーー お施主様が困り事を相談しやすい環境をつくるために、具体的に取り組んでいることはありますか?  

そうですね。一つは、年に4回発行してお施主様宛てに郵送している「カラマツ通信」という手描きの瓦版です。季節の話題からメンテナンスのアドバイス、スタッフの失敗談まで掲載している顧客と当社の心の架け橋です。「お施主様が手に取るたびに私たちのことを思い出してくれたら嬉しいな」という思いで、毎回身近なネタを集めて編集しています。

年4回発行の「カラマツ通信」。紙面のイラストは笠島さんが自らが描いていて、楽しみにしてくれている顧客も多いそう
年4回発行の「カラマツ通信」。紙面のイラストは笠島さんが自らが描いていて、楽しみにしてくれている顧客も多いそう
昨年からは本社事務所向かいの敷地で、同社オリジナルの「木のコンテナハウス ニ・ポンチセ」を活用した街中のキャンプ場「笠ランド」計画を進行。今年中に整備を終える予定で、笠島さんは「カサシマ建設をより身近に感じ、多くの人に気軽に利用してもらえる場にしたい」と話す
昨年からは本社事務所向かいの敷地で、同社オリジナルの「木のコンテナハウス ニ・ポンチセ」を活用した街中のキャンプ場「笠ランド」計画を進行
今年中に整備を終える予定で、笠島さんは「カサシマ建設をより身近に感じ、多くの人に気軽に利用してもらえる場にしたい」と話す
今年中に整備を終える予定で、笠島さんは「カサシマ建設をより身近に感じ、多くの人に気軽に利用してもらえる場にしたい」と話す

 

ーー 7月下旬には「お客様感謝祭」も開催されましたね。

これも当社がお施主様とのご縁を温めるために大切にしてきたイベントです。13回目を数えた今年は、300人以上の方々にご参加いただきました。

ステージでは、お施主様と社員が一緒にバンドを組んで生演奏。手づくりの雑貨やお菓子などを販売するマーケットにもお施主様が出店してくださいました。たくさんの方がご家族そろって来場し、食事や音楽を楽しんでくれる様子を見られてとても嬉しかったです。

今年で13回目となるお客様感謝祭は、同社の工場を会場に開催。
今年で13回目となるお客様感謝祭は、同社の工場を会場に開催
ライブやカラオケ大会をはじめ、チャリティー企画の「こども縁日」やオリジナル木製品が当たる抽選会、木工教室などを開催

また焼き鳥や焼きそば、ジンギスカンなどをふるまうカサシマ屋台など、さまざまな催しで、来場したOB・OG客の笑顔が絶えない1日となった
焼き鳥や焼きそば、ジンギスカンなどをふるまうカサシマ屋台などのさまざまな催しで、来場したOB・OG客の笑顔が絶えない1日となった

家づくりでは、家自体の良しあしはもちろんですが、「つくり手と住まい手の良好な関係」が何よりも大切で、お金に換算できない価値があります。私はお施主様に「当社に出会って家を建てたことを喜んでほしい」と常に願ってきました。アフターメンテナンスはご挨拶の良い機会ですし、誠実な対話の積み重ねが、確かな信頼と末永いつながりを育んでいくと信じています。

代表の笠島さんは、お施主様がどうしたら楽しんで喜んでくれるかを常に考え、仕事を通してさまざまな試みを実践している
代表の笠島さんは、お施主様がどうしたら楽しんで喜んでくれるかを常に考え、仕事を通してさまざまな試みを実践している

OB・OGのお施主様に聞きました!
カサシマ建設は どんな会社ですか?

【お施主様の声①】
家を建てる前も後も、何でも言えて相談できる関係です

■ 札幌市北区・Kさん 新築・2021年竣工

3年前に築25年だった妻の実家を1階に義両親、2階に僕ら家族が住む上下完全分離型の2世帯住宅に建て替えました。カサシマ建設の早川さんは、義父と僕の10年来のバンド仲間。建て替えの話が出たときも、気心が知れていた早川さんに当たり前のように相談をしました。  

プランは「餅は餅屋」ということで、家づくりのプロである早川さんに一任。実現して嬉しかったのは、2階に設けた親子世帯共用の防音室ですね。電子ドラムやカラオケの設備も整えたスタジオのようなスペースは、家族みんなのお気に入り空間になりました。いつも想像を超えた提案を次々としてくれた楽しい打ち合わせも、家づくりの良い思い出です。  

新築から3年経った今も、早川さんはいつも気にかけてくれて、何か不具合があればすぐに来てくれます。なんでも気兼ねなく言い合える関係なので、ちょっとした不具合の相談も気軽にできます。年に一度の感謝祭では同じステージに立ち、公私にわたって楽しいおつき合いをさせてもらっています。(Kさん談)

【お施主様の声②】
細やかな配慮やサポートで、満足度の高い家づくりができました

■ 札幌市白石区・Nさん 新築・2021年竣工

薪ストーブと大型バイクを止められるビルトインガレージのある家。そんな理想の住まいを実現してくれそうな工務店を探していて、カサシマ建設と出会いました。  

わが家の担当だった新沼さんは、女性らしいきめ細かな心遣いが行き届いた提案をしてくれて、たびたびの仕様変更にも親身に対応してくださいました。丁寧なサポートのおかげで、希望に叶うマイホームを建てることができました。  

冬は薪ストーブで暖かく、夏はエアコンなしでも涼しく過ごせる快適な住まいに満足しています。新居が完成した後も、新沼さんがどんな設計をしたのかが気になって、モデルハウスが公開されるたびに見学に出かけています(笑)。  

また去年、感謝祭へ遊びに行ったのがきっかけで誘っていただき、今年は趣味で制作しているデザインTシャツやインテリア雑貨を売るお店を、会場のマーケットで出店することに。これからも新沼さんを通して、カサシマ建設との良いおつき合いを続けていければと思っています。(Nさん談)