都内の古くからある住宅街の一角に立つIさんご兄妹の住まいは、1階がカフェ、2階が住居の店舗併用住宅です。
実家の建て替えに際し、隣に住む次男家族と「近所の人々の居場所になるようなカフェを開きたい」と考えていたお二人は、設計の自由度が高い工務店との家づくりを念頭にインターネットで検索。
3代続く老舗企業で自社大工がいること、建物のデザインが好みだったことなどいくつもの条件が合致し、田中工務店に依頼を決めました。「構造見学会で、完成したら隠れてしまう内部のつくりまで確認できたことも安心感につながりました」と、お兄さんは話します。
妹さんが希望したのは「広く余裕のある空間」。18帖ほどのLDKはダイニング横に余白のエリアが広がり、廊下の幅も広めで全体にゆとりが感じられます。ほとんどの建具は実家で慣れ親しんだ引き戸に。フロアはバリアフリー設計で、先々まで安心です。
カフェがある1階は友人にミュージシャンが多いお兄さんの希望で防音仕様とし、ライブ演奏ができるスペースを確保。南へ開いた大きな窓の外に広がる庭の緑が、お客様に安らぎを与えます。
引き渡しから2年ほどがたち、建物に用いた自然素材は落ち着いた風合いに変化しつつあります。カフェは妹さんが隣に住む義妹さんやめいごさんたちと切り盛りしていて、常連さんも増えました。
「意外と年配の方も多くて、『お庭を眺めながらコーヒーを飲むのが楽しみなの』と言ってくれる方もいるんですよ」と、目を細める妹さん。木と庭とゆとりある空間が心地よいこの場所には今日も人が集い、温かな笑顔と豊かな時間に満ちています。
■Iさん宅の住宅性能
UA値(断熱性能):0.46W/㎡K、C値(気密性能):0.40㎠/㎡1|高断熱・高気密
同社では「断熱等級6」を標準として提案。今回はカフェの南面開口を大きく確保することを優先し、数値としてはHEAT20 G2グレードとなった
2|耐震等級3
耐震等級の中で最も高い耐震性能は、同社の標準仕様。構造設計に基づいた高い大工技術による施工で、長期にわたって安心の住まいを実現