元々はともに北海道出身のSさんご夫妻。長く北海道を離れていましたが、Sさんが在宅のフリーランスとして独立したのを機に、Uターンを考えました。二人の実家の中間地点として選んだのが東川町。町をあげての移住者誘致の取り組みも決断を後押ししたとか。
利便性よりも自然を感じるロケーションを求めた土地探しでは、遠くに大雪山を望み、360度の自然を眺められる絶好の土地に巡り会いました。「土地を見に来た時に、大雪山が見えて感動しました。山があり、すぐそこに川も流れていて、まさに求めていたロケーションです」と夫婦ともにひと目で気に入り土地を購入。道外に暮らしながらの家づくりが始まりました。
芦野組との出会いはインターネット。ホームページを見て、この雰囲気なら自分たちの希望するものに合うと感じ、コンタクトを取りました。「芦野さんは、自分たちが言う前に好きな感じの提案をしてくれるんです。私たちの好みを把握してくれているんだなと感じました。そして最初にできたプランが想像を超えたもので、ここならお任せできると確信したんです」とSさん。
その後は遠距離での打ち合わせを重ねながら、理想の家をつくり上げました。建築中は一度も現地を訪れなかったというSさんですが、仕上がりには大満足。新生活にふさわしい家ができ上がりました。
自然に囲まれたロケーションに溶け込むような道産カラマツの外壁。内部仕上げは珪藻土やカラマツのフローリングなど自然素材に。梁や柱を現しにし、リビングには念願の薪ストーブも設置しました。
奥さんこだわりのキッチンは、あえて収納扉を付けないオープン式ですが、これが使い勝手抜群。「物を取り出しやすいし、収納も風通しがよく衛生面でもいいですね。天板が木なので汚れが気になるかなと思ったんですが、コンロの近くなどは、かえって油でいい艶が出てきました。使っていく中で、日焼けや汚れなども味になっていくのが楽しみです」と奥さん。キッチンには大きな窓があり、風景を眺めながら家事ができるのも大のお気に入りです。
実はSさんの仕事はパラパラ漫画の作家さん。奥さんも手伝いながら作品をつくっています。「ここでの暮らしは心が豊かになり、ゆとりが生まれます。それはモノづくりにとって、すごく大切なこと。時間の流れもゆっくりだし、考え方も柔軟になる。これからの作品づくりも変わっていきそうです」と今後の創作活動への意欲も高まっているようです。