カサシマ建設 / 札幌市・Iさん宅 夫婦60代・40代、母、犬2匹

二世帯同居をきっかけに
築54年の住まいの不安と不満を解消

奥さんのご両親が札幌市内で中古住宅を購入したのは、今から20年ほど前のこと。1000万円で購入した建物は、そのとき既に新築から33年の歳月を重ねていました。お母さんは「住んでみると、冬は暖房のない部屋がとても寒くて…。特にお風呂は、貯めたお湯がすぐに水になるくらいの冷え込みでした」と振り返ります。

また、この家は片側の屋根が大きく傾斜していました。冬になると、その屋根から近所の人や車が行き交う道路側へ大量の雪が滑り落ちていたそうで、「何かあったら…と不安で、これが何よりも悩みの種でした」と、Iさんは言います。

既存住宅の外観。大きく傾斜した屋根から滑り落ちる雪が、悩みの種だった
既存住宅の外観。大きく傾斜した屋根から滑り落ちる雪が大きな悩みの種だった

傾斜の強い大屋根を無落雪屋根に改修したことで、スクエアなフォルムに替わった外観。外壁は窯業系サイディングで仕上げた
傾斜のきつい大屋根を無落雪屋根に改修したことで、スクエアなフォルムに変わった外観。外壁は窯業系サイディングで仕上げた

Iさんご夫妻はお母さんとの同居を機に、長年の悩みを解決したいとリノベーションを決意。かつて内装業を営んでいたIさんが現場で懇意にしていた板金屋さんに相談すると、札幌市の工務店、カサシマ建設を紹介してくれました。「知人はカサシマ建設の現場でも仕事をしていて、ここなら間違いないと太鼓判を押してくれたんです」。

打ち合わせにじっくりと時間をかけ、断熱改修を主軸にしたプランを作成。Iさんは、「断熱・省エネ性向上の補助金申請を視野に入れた提案をしてくれて、さらに資金計画の相談にも乗ってもらえたので、安心して工事に臨めました」と話します。

2023年10月から2024年1月末まで行われたリノベーションでは、既存の建物をスケルトン状態に戻し、傷んでいた柱や梁を補修して、屋根も平らな無落雪屋根に。さらには補助金を活用した断熱改修も実施しました。

既存の風除室を取り除き、新たに雪や雨を防ぐ小屋根をかけた玄関ポーチ。玄関ドアも断熱・気密性能の高いものに交換した
既存の風除室を取り除き、新たに雪や雨を防ぐ小屋根をかけた玄関ポーチ。玄関ドアも断熱・気密性能の高いものに交換した
ナチュラルな無垢の木の素材感が気持ちいい玄関ホール。補強して既存を生かした階段との新旧のコントラストが、リノベーションならではの味わいに
ナチュラルな無垢の木の素材感が気持ちいい玄関ホール。補強して既存を生かした階段との新旧のコントラストが、リノベーションならではの味わいに

一方で、既存の階段や壁、建具枠などを生かすこととし、仕上げのクロス張りはIさんが自ら行いました。「現場で大工さんの仕事を見ていたら、新築以上に手間と時間をかけて丁寧な仕事をしていて驚きました。知人が勧めてくれたのも納得でしたね」。

階段には、トドマツの手すりを新設した。暮らす人を思いやるきめ細かな造作に、カサシマ建設の家づくりへの姿勢が表れている
壁のクロスはすべてIさんが自ら張って仕上げた。階段には、トドマツの手すりを新設。暮らす人を思いやるきめ細かな造作に、カサシマ建設の家づくりへの姿勢が表れている

リノベーションで手に入れた
広い部屋と居心地の良い生活空間

2024年2月、リノベーションを終えた住まいで新たな暮らしが始まりました。断熱改修にあたっては、外断熱に加え、床・壁・天井にしっかりと断熱対策を行い、窓は高性能樹脂サッシに交換。既存のFF式ストーブ1台でも十分に家中が暖かく、隅々まで均一な温度が保たれるようになりました。「リビングは陽当たりが良いので、晴れると暖房がいらないくらいの室温になります」と、笑顔のお母さん。

居間と隣の和室をつなげて、広いリビング・ダイニング空間を実現。既存の押し入れは建具のみを交換し、収納スペースとして使っている
居間と隣の和室をつなげて、広いリビング・ダイニング空間を実現。既存の押し入れは建具のみを交換し、収納スペースとして使っている
 使えるものは、できる限り使う」がカサシマ建設のモットー。壁付けのシステムキッチンは、7年前のリフォームでご両親が交換したものを再利用した
使えるものは、できる限り使う」がカサシマ建設のモットー。壁付けのシステムキッチンは、7年前のリフォームでご両親が交換したものを再利用した

既存の収納スペースを取り込んで、水まわりの配置を見直したことで、ゆとりあるユーティリティを実現。ユニットバスも新品に交換した
既存の収納スペースを取り込んで、水まわりの配置を見直したことで、ゆとりあるユーティリティを実現。ユニットバスも新品に交換した
玄関とLDKの間のドアや、階段下収納の扉など、建具はすべて自社の職人による製作
玄関とLDKの間のドア上部をガラス窓にすることで、暗くなりがちな玄関まわりに光を届けている

無落雪型に変えたことで、常に落雪を心配する冬の日々から解放されたのも、ご家族にはとても大きな喜び。さらに屋根の形状の変更は「2階にご夫妻専用のセカンドリビングを設ける」という副次的なメリットを生むことにもなりました。その広さは16帖。2階には新たにトイレやミニキッチンも設置しました。

1階リビングとつながっていた既存の和室は、お母さん専用の個室に変更。そこはかつて、冬になると暖房の熱が届かず、開かずの間になっていた場所。断熱改修によって、室内空間が有効活用できるようになり、家族それぞれが心地よく過ごせる居場所ができました。

屋根形状を変えたことで実現したご夫妻専用の2階リビング。ミニキッチンやトイレも新設した
屋根形状を変えたことで実現したご夫妻専用の2階リビング。ミニキッチンやトイレも新設した
1階に配したお母さんの部屋は、明るく広々。クロスはすべてIさんが自ら張って仕上げた
1階に配したお母さんの部屋は、明るく暖かく、広くて気持ちがいい場所に生まれ変わった

自社工場で、職人さんたちが製作している床材や建具類を標準仕様として用いているのも、カサシマ建設の家づくりならでは。浮造り仕上げの道産カラマツの無垢フローリングは、表面の凹凸が足裏に心地よく、陽の光を蓄えてほんのりとした暖かさが持続します。

建具類はすべて、特有の白さが美しい道産トドマツで製作された一点もの。本物の木の質感とデザインの統一感が、心地よい住空間を演出します。

浮造り仕上げの道産カラマツの無垢材を敷き込んだLDK。愛犬の足裏にもやさしい
浮造り仕上げの道産カラマツの無垢フローリングは、愛犬の足裏にも優しい
カサシマ建設の大きな特徴は、自社で製作する木製の建具類。各部屋のドアや収納扉はすべて無垢材で造作したもの
カサシマ建設の大きな特徴は、自社で製作する木製の建具類。各部屋のドアや収納扉はすべて無垢材で造作したもの

2世帯同居ながらも、程よい距離感を保って気持ちよく暮らせるような家に生まれ変わったIさんのお住まい。大工の熟練の技に裏付けられた確かな住宅性能と、木と手仕事の温もりが、これから先のIさんご家族の暮らしを優しく包み続けます。

 

Data
札幌市・Iさん宅
家族構成/夫婦60代・40代、母、犬2匹

■建築データ
□リノベーション面積 121.50m²(約36坪)
□主な外部仕上げ
屋根/ガルバリウム鋼板
外壁/窯業系サイディング
建具/玄関ドア:断熱ドア、窓:樹脂サッシ
□主な内部仕上げ
床/カラマツ無垢フローリング浮造り仕上げ
壁・天井/ビニールクロス
□断熱仕様
床下/両面アルミ断熱防湿シート(リフレクティックス)
壁/ネオマフォーム50㎜
天井/ネオマフォーム66㎜
□暖房方式 FF式ストーブ
□冷房方式 高効率エアコン

■工事期間
約4ヵ月