「北海道へ移住したい!」と思ったら

移住や二拠点生活の先として、ランキングにも度々登場する北海道。「自然が豊か」「雄大」「食べ物が美味しい」など良いイメージを持たれることが多い地域ですが、実際の移住先としてはどんな特徴があるのでしょうか。メリットやデメリットを具体的に知ることで、北海道という場所が自分に向いた移住先かどうか、まずは考えてみましょう。

北海道移住のメリット

多くの人が「憧れ」を持つ北海道への移住。その魅力とメリットにはどんなものがあるでしょう。考えられる代表的な例を挙げてみます。

美しい自然環境とアウトドアアクティビティ

北海道には美しい自然環境が広がっており、四季折々の風景が楽しめます。日本の中でも緯度が高いことから、本州では見られない植物や動物、それらを含む景色が広がっています。積雪が多いことから、冬にはスキーやスノーボードが楽しめ、夏にはハイキングやキャンプでその自然環境を享受することができます。

キャンプは北海道の代表的なアクティビティのひとつ

新鮮な食材

北海道は豊かな自然環境のおかげで、新鮮でおいしい食材が豊富に手に入ります。特に海産物や乳製品は評価が高く、地元の食材を使った料理が楽しめます。北海道は農業地帯であることから、スーパーや産直市場などでも北海道内の食料品が多く流通しており、季節ごとの食材が家庭でも安価で手に入るという魅力もあります。

農産物や乳製品、魚介類など地元の食材が豊富な北海道

四季の変化と快適な夏

北海道の年間平均気温は5~10℃、年平均降水量は700~1,700㎜と、本州以南に比べて冷涼・少雨な気候といえます。当然、冬は寒冷で積雪も多く厳しい気候環境ではありますが、夏の気温と湿度が低く、梅雨前線に由来する「梅雨」にあたる期間もありません。そのため、北海道の夏はとても過ごしやすいといえるでしょう。

東桜岡優良田園住宅生活コストの低さ

北海道は札幌市など中心部でも、他の地方都市と比べて家賃の相場や土地価格の相場が安いという統計があります。現在首都圏に住んでいる人であれば、同じ家賃でより条件の良い場所や広いところに住めることになります。土地を購入して家を建てる際も、土地にかかる金額が首都圏より安いため、建物や暮らしを充実させるのに予算を使うことができます。

スギ花粉の飛散が少ない

北海道では、花粉症の原因となるスギやヒノキの数が他府県に比べて少ないため、花粉症の発症率も低いといわれています。スギとヒノキが自生していないエリアもあるため、スギやヒノキの花粉症の人にとっては北海道移住の大きなメリットになるかもしれません。一方で、シラカバの花粉はありますので、自分のアレルギーの確認は必要です。

北海道移住のデメリット

厳しい気候条件

北海道の気候は一年を通して冷涼・小雨な傾向にあり、特に冬季は非常に寒冷です。12月から2月ごろまでは、最高気温が0度に届かない日も多く見られます。積雪が多く、札幌市の統計によると、令和3年度のひと冬の降雪量は4.74mでした。戸建て住宅の場合は雪かき作業も必須ですので、移住をした際に寒さと雪の量に適応できるかどうか考慮する必要があります。もちろん、除雪やロードヒーティングなど雪への対策が進んでいますので、正しく知って慣れていくことができるかを考えましょう。

就業機会が限定され賃金が安い

北海道だけでなく地方都市全般に言えることですが、大都市に比べて就業機会が限られます。特に特定の職種や産業で仕事をしようとすると、求人が少なく希望するような仕事につけないことも考えられます。また、首都圏に比べて平均年収、時給も安い傾向にあるため、首都圏同様の収入を得ることは難しい場合も多いでしょう。一方で家賃相場や物価が安い傾向にあることも考慮に入れて、自分のキャリヤや実現したい暮らしを考えることが大切です。

車がないと生活しにくい

札幌などの都心部を除くと、北海道内では車がないと生活が成り立たないエリアがほとんどです。食料品や日用品の調達、通勤、病院や役所への移動など、日常生活を支える行動に車が必要な場合が多いため、車の購入や維持についてもあらかじめ検討しておく必要があります。また、冬場は雪道となりますので、雪道の運転ができそうかどうかも考えておいた方がよさそうです。

北海道各市町村の補助金・助成金を知る

北海道への移住時に役立ちそうな、補助金・助成制度の一部をご紹介します。制度は年度によって異なり、予算の枠が常に空いているとは限りませんので、自治体のサイトなどで最新の情報を取得することをおすすめします。

東京23区(在住者または通勤者)から北海道へ移住し、マッチングサイトに掲載されている移住支援金対象法人に就業した人に、国・道・市町村が共同で移住支援金(100万円[単身の場合は60万円])を支援する制度です。
▼詳細はこちらから
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/jzi/ui-turn/H31wakuwaku.html

名寄市【ずっと住まいる応援事業】

名寄市に所有・居住の住宅の改修工事を行う方、または名寄市内の住宅を購入し、改修工事等を行った後に転居し、名寄市に転入する方を対象に、改修工事費用の一部を補助する事業です。移住者加算や省エネ機器加算、地域材利用加算などがあります。
▼詳細はこちらから
http://www.city.nayoro.lg.jp/section/eigyou/prkeql0000038ox3.html

芦別市【持ち家取得奨励事業】

新築住宅または中古住宅を芦別市内で新たに取得した人に、奨励金を交付する制度です。新築住宅の場合は1戸につき50万円、移住者の場合はさらに100万円が加算されます。そのほかにも市内の建設業者に依頼して建築した場合、子育て世代の場合など追加条件があります。
▼詳細はこちらから
https://www.city.ashibetsu.hokkaido.jp/docs/17984.html

函館市【まちなか住宅建築取得費補助金】

函館市の「函館駅前・大門地区」で土地を購入し、住宅を「新築」して住む方を対象に、または住宅とその敷地を購入して住む方に200万円を補助する事業です。新築のほか、建売住宅や中古住宅を購入する場合も補助の対象となります。

▼詳細はこちらから
https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2024030400157/

北海道の住まいの特徴

北海道で家を建てるときに注意したほうがいいことは?

北海道の気候に対応した設計

北海道は一年を通じて冷涼な気候で、冬は氷点下になる日も多く、ほぼ全域で積雪があります。北海道への移住を考える際に「どんな家に住むか」は、暮らしを大きく左右する課題。住まいの設計や材料選びでは、気候への対応、特に断熱性能や耐雪性を重視する必要があります。注文住宅で建てる場合も、建売住宅を買う場合も、断熱性能などの住宅性能が北海道の気候に適したレベルであるか、依頼先がそれに対応できる会社であるかを確認しましょう。

冬季の暖房に備えたエネルギー効率を考える

寒い冬の北海道では暖房の使用が必須ですが、暖房機器や熱源選びだけでなく、建物の躯体性能、窓やドアの開口部など、エネルギー効率の高いシステムや素材を選ぶことが大切になってきます。光熱費を節約しながらも快適に暮らせる環境を優先することで、北海道の移住生活がより豊かになります。住宅性能が高ければ、夏の暑い時期に涼しく過ごせるというメリットもあり、これからの暮らしに必要な検討項目でしょう。

冬季のアクセス確保

冬季に雪が積もることがありますので、家の周りのアクセスや駐車場の確保を考慮して計画することが必要です。灯油やプロパンガスなどの配達を伴う熱源を選ぶ場合は、配達時のアクセスなども考慮する必要があります。雪が積もってタンクにアクセスできないといったことがないように、あらかじめ設計者と打ち合わせをしましょう。

北海道への移住|暮らしの実例紹介

ひとくちに「北海道」といっても広大で、札幌市などの都市部と農村部では、気候や環境も大きく異なります。家づくりやその暮らしもさまざま。ここでは、北海道への移住で家づくりを体験した人たちの事例とその暮らしの様子をご紹介します。

【十勝・60代】心豊かな第二の人生を楽しむ田園の住まい

23年間、横浜市で工務店を経営してきたAさんは「家族とともに心豊かな暮らしを楽しみたい」と、リタイアを決意。その舞台に、息子さんが学生生活を送った帯広市を選びました。

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【旭川市・50代】30数年来の夢の実現。コテージ経営と田舎暮らし

関西から毎年、丘の景色や大自然をシャッターに収めるのを楽しみに通い続けてきたSさん。長くこの場所で営業していた「美瑛の丘のペンションほおずき」のオーナーから、一棟のコテージと土地の一部を受け継ぐことになり、宿を経営するため自分の住まいづくりに取りかかりました。

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【東川町・40代】東京から移住して11年。東川町の田園風景の中に暮らす

家具会社への転職を機に東京からやってきたOさんご家族。東川町は、道外からの移住先として特に人気の町です。「田んぼや山並みが広がる景色が、美しくて雰囲気がよくて気に入ったから」という理由で選んだ場所ですが、周りに移住者が多く、子育てを通して知り合いが増えていくという魅力もありました。

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【ニセコ】ニセコの山々が教えてくれた「ありのままに暮らす」こと

毎冬、山スキーやクライミングを楽しむために北海道を訪れていたというMさんご夫妻。「山とともに生きたい」と、住み慣れた東京からの移住をご主人が提案しました。羊蹄山が目の前に広がるロケーションに一目ぼれし、土地を購入したところから家づくりが始まりました。

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【東川町・50代】アーリーリタイア後に選択した山容を望む北海道東川町での暮らし

自然豊かな場所で、薪ストーブの炎を眺めながら穏やかな時間を刻みたい。慌ただしい都会の日々から抜け出して、50代でアーリーリタイアを選択したSさんご夫妻。新たな暮らしの拠点として選んだのは東川町でした

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【帯広市・30代】帯広に移住してスタート。冬も夏も、炎に親しみ楽しむ暮らし

家族が集うリビングの中心に薪ストーブの炎。LDKのどこにいても炎を眺めることができる

豊かな自然の中で子育てをしたいと考えたIさんご一家は、東京から奥さんの生まれ育った帯広に移住。4人の娘さんたちとともに、のびのびと過ごせる家を建てようと考えました。「薪ストーブを入れて、帯広での暮らしを楽しみたい」と薪ストーブの導入を決めました。

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【ニセコ】ニセコに移住した、薪ストーブとアウトドアの頼れる案内人

羊蹄山を望む絶好のロケーションに、湯口さんが営む薪ストーブ店はある

今や世界中から人々が集い、にぎわう、北海道・ニセコ。そこに、山小屋のような素朴な佇まいの薪ストーブ店があります。店主は、一風変わったキャリアを持つ湯口 公さん。どんな人生を経てニセコに辿り着き、薪ストーブと出会ったのか。その興味深い道のりと、薪ストーブへの想いをうかがいました。

▶︎事例の詳細はこちらから「ニセコに移住した、薪ストーブとアウトドアの頼れる案内人」

【富良野市・40代】山々の稜線が広がる美しい風景の中に立つ農家の住まい

北海道で農業を始めたいと考えて東京から移住し、音更町の農家で経験を積んだUさん。後継者募集の知らせを聞きつけて富良野市へとやってきました。研修期間を経てメロン畑を受け継いだUさんご一家は、工務店との農家住宅づくりをスタートさせました。

▶︎事例の詳細はこちらから「山々の稜線が広がる美しい風景の中に立つ農家の住まい」

【北広島市・30代】家族の時間もひとりの時間も大切にした優しい住まい

仕事の都合で、東南アジアに暮らしていたというKさんご一家。転職をきっかけに札幌市への移住を経て、北広島市で新築を検討することになりました。「雪のことを考えるとマンションという選択肢もありましたが、戸建てにはトキメキがあるんですよね。自分の好みを生かせる注文住宅はやはり憧れでした」。

▶︎事例の詳細はこちらから「家族の時間もひとりの時間も大切にした優しい住まい」


 

(文/Replan編集部)