仙台市宮城野区の住宅街にあるカフェ「ALTERNA(オルタナ)」。オーナーの小畑幸毅さんは定年退職を機に、以前はサイクルショップだった両親の店舗をリノベーションし、2022年8月にこのカフェをオープン。今は料理担当の奥さん、パティシエの娘さんと、家族3人でこのお店を営んでいます。
木や石、金属といった異なる素材を心地よくミックスして仕上げた店内は、小畑さんの好みが存分に反映されていて、清々しい空気を感じさせるたくさんの観葉植物や、コレクションされたレコードのBGMが心を和ませてくれます。その空間にあって存在感を放つのが、店内の一角に置かれたシンプルなデザインの薪ストーブ。デンマークのメーカーHWAM(ワム)の「4640m」です。
実は息子さんが仙台市の薪ストーブ専門店dld(ディーエルディー)に勤務しており、常日頃から薪ストーブの魅力について聞いていたという小畑さん。「この機種は『操作が簡単だし、背も高くてガラス面も大きいから遠くの席からも炎が見えるよ』という息子の勧めで決めました」と振り返ります。煙突を含む薪ストーブの設置・施工も、設置場所以外は、同店に全般的に任せたといいます。
設置で特に気をつかったのが「薪ストーブの燃焼に欠かせない外気をいかに確保するか」でした。薪を適切に燃やすためには、常に一定量の新鮮な外気を室内に取り込む必要があります。
しかしここは厨房内の換気扇のパワーが強いため、薪ストーブの燃焼に必要な空気が不足がちになることが懸念されました。「でもそこは経験豊富なdldさん。煙突を通したガラス面の横に外気を効率的に取り込むための換気口を新設することで、この課題を解決してくれました」。
薪ストーブをひと冬使った小畑さんは、炎の美しさにすっかり魅了されたと語ります。「キャンプが好きで焚き火もよくするので、建物の中にいながら炎が見られるのは最高ですね。エアコンと違い、体の中からじんわりと暖まる感じも心地いいです」。
お客様の反応もすこぶる良いそうで、「冬の間は薪ストーブ前の席が大人気。ゆったりと火を眺めながら長居するお客様も多いですね。たいていの方はスマホで動画を撮っていかれます」と、小畑さんは笑みを浮かべます。
HWAMの薪ストーブには最適な室温を自動で保つ「オートパイロット燃焼システム」という独自の吸気システムが付いており、薪の無駄な消費を抑えられるのも大きな魅力です。薪の確保にはdldの宅配サービスを利用していますが、「薪が足りなくなる不安もなく、薪割りの手間もないので助かります。この冬はさほど寒くなかったので、薪の消費量も思ったほどではありませんでした」といいます。
「既存建物をリノベーションした店舗のため、煙突の出し方や空気の取り入れ方に加え、お客様の歩く動線や席からの炎の見え方など、さまざまな配慮が必要でしたが、dldならではの的確な配置の提案と柔軟な対応力で、『4640m』の持つポテンシャルを最大限引き出してもらえました」と小畑さん。「お客様にも喜んでいただけて、導入して本当に良かったです」と、満足そうに語っておられました。