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転勤生活を送りながら子育てをしてきたAさんご夫妻は5年前、家族の暮らしの拠点を構えることを決意。知人がシノザキ建築事務所で建てた家を訪ね、「家族の暮らしにぴったり寄り添うような家を見て、一緒に家づくりをしたら楽しそう」と思ったそうです。

「耐震工法SE工法」を採用し、大空間を実現したリビングは、土間の薪ストーブの炎を眺めながらくつろげる空間。炉壁には、奥さんの希望で札幌軟石を採用した。屋久島地杉の天井と欧州アカマツの現し梁、クルミの無垢床に包まれたリビングは、自然の力強さと温もりに満ちている
「耐震工法SE工法」を採用し、大空間を実現したリビングは、土間の薪ストーブの炎を眺めながらくつろげる空間。炉壁には、奥さんの希望で札幌軟石を採用した。屋久島地杉の天井と欧州アカマツの現し梁、クルミの無垢床に包まれたリビングは、自然の力強さと温もりに満ちている
リビングの大開口からアクセスできるウッドテラスには、メンテナンスが容易な屋久島地杉を採用。日射コントロールのために長く延ばした庇は、テラスの屋根も兼ね、暖かな時期はアウトドアダイニングとして活用できる
リビングの大開口からアクセスできるウッドテラスには、メンテナンスが容易な屋久島地杉を採用。日射コントロールのために長く延ばした庇は、テラスの屋根も兼ね、暖かな時期はアウトドアダイニングとして活用できる
リビングの一角には、国内産イ草の本畳を敷き、稚内産珪藻土のアクセントウォール、床の間を設えた4畳の和室も設けた
リビングの一角には、国内産イ草の本畳を敷き、稚内産珪藻土のアクセントウォール、床の間を設えた4畳の和室も設けた

希望のエリアで宅地を取得したご夫妻は、同社に「暖かく、庭と薪ストーブのある暮らしが楽しめる家を建てたい」と新築を依頼。「性能やランニングコスト、素材のメリット・デメリットなど一つひとつ丁寧に、詳しく説明してもらったので、打ち合わせ時に不安に思うことは一つもありませんでした」と、Aさんは振り返ります。

対面式キッチンとダイニングテーブルをT字型にレイアウトし、配膳・片付けが手間なく、速やかにできるようにした
対面式キッチンとダイニングテーブルをT字型にレイアウトし、配膳・片付けが手間なく、速やかにできるようにした
背面には収納を造作。「しまうモノをリスト化した一覧をもとに、きめ細かく設計してくれたので、とても使いやすいです」と奥さん
背面には収納を造作。「しまうモノをリスト化した一覧をもとに、きめ細かく設計してくれたので、とても使いやすいです」と奥さん
子育てに忙しい奥さんの要望は、使い勝手のいいキッチン。それを叶えるため、大型のフロントオープン食洗器も採用した
子育てに忙しい奥さんの要望は、使い勝手のいいキッチン。それを叶えるため、大型のフロントオープン食洗器も採用した

シノザキ建築事務所は、わずかな電力で稼働する換気装置により、冬は薪ストーブなどの輻射熱、夏は床下の冷気を家中に巡らせる「ラディアント・サーキュレーション・システム」を提案。また、内装にはクルミの無垢材、屋久島地杉、札幌軟石など、上質な自然素材をふんだんに用いたプランをつくり上げました。

2階の最も眺めの良い場所には3連窓を設けたフリースペース。将来は間仕切り壁を設え、子ども部屋にする予定
2階の最も眺めの良い場所には3連窓を設けたフリースペース。将来は間仕切り壁を設え、子ども部屋にする予定
2階にたまった薪ストーブの熱は換気口から壁内に設けた風道を通り、床下まで一気に降下し、再び各部屋の造作ガラリから室内へ
2階にたまった薪ストーブの熱は換気口から壁内に設けた風道を通り、床下まで一気に降下し、再び各部屋の造作ガラリから室内へ
ガラリはスライド式になっており、部屋ごとに温度調節もできる
ガラリはスライド式になっており、部屋ごとに温度調節もできる
2階の階段ホールには、8㎜厚のポリカーボネート板をはめ込んだ透明な床を造作。1階リビングの天井も兼ね、2階の開口から採り込んだ自然光をリビングに届ける役割を果たしている
2階の階段ホールには、8㎜厚のポリカーボネート板をはめ込んだ透明な床を造作。1階リビングの天井も兼ね、2階の開口から採り込んだ自然光をリビングに届ける役割を果たしている

2021年9月に新居が完成。初めて迎えた冬は薪ストーブ1台で家の隅々まで暖かく、ご夫妻を驚かせました。「賃貸暮らしのときと比べて広さは倍以上なのに、厳冬期の光熱費は変わりません。夏もエアコン要らずの涼しさです。プラン時の説明だけでは実感できなかったラディアント・サーキュレーション・システムの凄さを体感できました」と、Aさんは嬉しそうに話してくれました。

ユーティリティと分離した造作洗面台は、忙しい朝の時間に2人同時に使えるよう、ゆったりとした広さにこだわった
ユーティリティと分離した造作洗面台は、忙しい朝の時間に2人同時に使えるよう、ゆったりとした広さにこだわった
中2階には、読書好きで蔵書の多いAさんの要望で、書庫を兼ねた読書室を設けた。壁面いっぱいに造作書棚を設置
中2階には、読書好きで蔵書の多いAさんの要望で、書庫を兼ねた読書室を設けた。壁面いっぱいに造作書棚を設置
廊下の壁を活用し、家族の思い出の品や写真が飾れるニッチを設けた
廊下の壁を活用し、家族の思い出の品や写真が飾れるニッチを設けた
2階の子ども部屋には、勾配天井の高さを生かしてコンパクトなロフトベッドを造作。ベッドの下は収納として活用できる
2階の子ども部屋には、勾配天井の高さを生かしてコンパクトなロフトベッドを造作。ベッドの下は収納として活用できる

私たちは、長期優良住宅、耐震等級3、高断熱・高気密などはもちろんのこと、住まう人が感じる“本物の快適”をデザインした住宅を実現したいと、自然の恵みを生かしたさまざまな試みを重ねてきました。2020年には「省エネと快適の両立」を実現する、独自の「ラディアント・サーキュレーション・システム(輻射熱空気循環システム)」を開発し、2023年3月には特許を取得予定です。

薪ストーブを主暖房にするAさんの新居にもこのシステムを採用しています。シューズクロークをチャンバーとして使う、第3種換気の排熱を利用したロードヒーティング(アプローチ部)も導入しました。このほか、建物の庇を長く延ばすことで日射をコントロール。夏には暑い日射を遮って日陰の涼しさを、冬には陽射しをたっぷり採り込んで陽だまりの暖かさを感じられる住まいが実現しました。

石狩管内・Aさん宅 スライドムービー

\2023/1/25発売!「北海道の工務店と建てる。」2023年版/

家づくりを始める際に重要となるのがパートナー選び。自分に合ったパートナーにたどり着くためには、まず、どのような選択肢があるかを知ることが重要です。

大きな住宅展示場にモデルハウスを持ち、多数のメディアで大々的に広告している大手ハウスメーカーに比べ、地域の「工務店」は、興味はあってもなかなかその実情を把握しにくいのが現状です。

そこで今回は、それぞれに特徴や強みの異なる工務店との家づくりをご紹介。工務店をパートナーに選んで建てた実例と住まい手の声を通じ、その魅力を紐解きます。

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