北海道の厳しい冬の内外温度差がもたらす室内の空気の浮力を利用した「パッシブ換気」を、新築の全棟に採用している大平洋建業。パッシブ換気は暖かくきれいな空気を自然循環させながら、全室の暖房と換気を行う暖房・換気方式。室内に漂うアレルゲン物質やウイルスなども、生活臭とともに排気口から排出されるため、室内は清浄でおいしい空気で満たされます。
新築を機に、このパッシブ換気を採用したいと考えたのが、札幌市のMさん姉妹。かつて農業を営んでいたご両親が残した築60年の家に住んでいたお二人は、寒さと結露によるカビ問題、空気の流れの悪さなどにずっと悩んでいたといいます。
昨年の春、「そろそろ住まいを一新して、将来に備えたい」と、パッシブ換気を採用した建て替えを思い立ちました。その依頼先に選んだのが、札幌圏で豊富な施工実績を持っていた大平洋建業でした。「北方型住宅ECOの基準をクリアする高断熱・高気密な住まいづくりに力を入れている点も決め手になった」と言います。
また、パッシブ換気は部品交換や破損が生じる機械的な設備がなく、メンテナンス不要という点も魅力でした。「それでいて、換気量は自動でコントロールされるため、省エネ効果も大いに期待できそうだと思いました」と、Mさんは話します。新築依頼を受けた大平洋建業は、陽当たりに恵まれた立地を生かし、床下の空気を太陽熱で暖め、より高い省エネ性を発揮する「ソーラーウォーマー」の併用も提案しました。
2022年3月、お二人の要望を反映し、ワンフロアでの生活も可能な平屋ベースで設計された新居が完成。ゆとりある敷地を生かして設計された延床140㎡超の住まいは、どこもゆったり広々。「旧居は暗く、空気がいつも淀んでいるように感じましたが、新しい家は空気感が自然で気持ちよくて。建物の気密性が良いこともあって、室内は静かで落ち着きます」。
大きな窓からたっぷりの陽射しが注ぐ南向きのリビングは、明るく開放的。Mさんが大切にしている庭にも直接出入りできます。さらにたっぷりの収納に物干し場、キッチンや食品庫と裏動線でつながった勝手口も設け、家事効率の良さにも配慮しました。「建物の隅々まで暮らしやすさへの配慮が行き届き、安心して住める終の棲家ができました。これからは、何も思いわずらうことなく庭と畑のある暮らしを楽しもうと思います」と、Mさんは笑顔で満足そうに話してくれました。