旭川中心部から離れた桜岡エリア。森と田園が広がり、放牧された馬が闊歩するその景色は北海道の原風景のようで、心が洗われるような豊かさがあります。そんな美しい景観を五感で楽しみ、日常から切り離されたかけがえのない1日を提供しているのが、桜岡ストリート「ロッジ・ノルハイム」です。
ノルハイムは完全プライベートロッジ。森や広場を有するおよそ3ヘクタールの敷地には、宿泊者以外は立ち入ることがなく、環境そのものも貸切状態。夏はマウンテンバイクを走らせ、バーベキューや焚き火を楽しみ、冬はスノーシューを履いて森林を散歩するなど、大自然を心ゆくまで満喫することができます。
そして冬期間の滞在をさらに充実させてくれるのが、リビングに備えた薪ストーブです。ノルハイムは、もともと別荘だった高断熱・高気密仕様の一軒家を一棟貸しのロッジとしてフルリノベーションしているため、建物自体に厳しい北海道の冬を悠々と乗り切るポテンシャルが備わっています。主暖房による暖かな室内で、薪ストーブは主に炎を楽しむ観賞用として設置されました。
「リノベーション前の住宅には、国産の大きな薪ストーブが設置されていたのですが、新たに生まれ変わりロッジとしてくつろいで過ごす空間には、より洗練されたデザインの薪ストーブがふさわしいのではないかと考えました」と話すのは、コロポックルの橋口宏二さん。そこで提案したのが、HWAM(ワム)のラインナップの一つで、壁に埋め込むタイプの薪ストーブ「 I40/55」です。
もともとノルハイムとしては、「自然素材を取り入れた室内に違和感を与えないように、外装も自分たちで手を加えたい」という意思が強くあったそう。機種によってはメーカーの意向で外装に手を加えることができないものもありますが、I40/55はその点もクリアしていて暖炉のようなインテリア性を実現できます。
窓面が大きいため観賞用にぴったり。ロッジの雰囲気に合わせて薪ストーブまわりの壁が施工されていて、室内によくなじんでいます。観賞目的とはいえ、暖かさも十分。薪ストーブならではの遠赤外線効果で身体の芯まで温まります。
また、ノルハイムは完全貸切の宿泊施設という特性から、薪ストーブを操作するのは宿泊者自身。本州から訪れる方が多く、薪ストーブに触れたことがない人でも扱いやすいことも重要でした。
橋口さんは「トータルに考えて、HWAM I40/55は非常に適していたと思います」といいますが、それはスマートコントロール機能搭載だから。スマートフォンに入れたアプリで室温の設定や燃焼状態の把握ができるなど、最新テクノロジーによる高い操作性も大きな魅力です。ちなみにこのスマホのアプリで薪ストーブを制御する技術は、HWAMの特許技術です。
「最初にひととおり説明しますが、皆さん、すぐにコツをつかんで使いこなしていますね」と言葉を継ぐのはこのロッジの支配人の佐藤誠二郎さんです。「薪ストーブというと扱いが難しそうに思われがちですが、スマホで操作できる手軽さが好評で、ここだからこそ体験できる炎のある時間を楽しんでいらっしゃいます」とお客さんの反応に笑顔を見せます。
今回コロポックルでは、薪ストーブの入れ替えやそれに伴う煙突工事、薪ストーブまわりの壁の施工のほか、リビングの壁仕上げや浴室の浴槽と床の取り替え、2階ホールの造作棚の施工など、内装や設備のリフォームも部分的に手がけました。同店は母体が建設会社でリフォームの実績も多く、薪ストーブの入れ替えと併せて工事を依頼されることも多いといいます。
薪ストーブは、普通の暖房機器と比べて手間がかかります。スイッチひとつで着火、というわけにはいきませんが、佐藤さんは「I40/55は操作性が良いので、薪ストーブに不慣れなお客様にも、自分の手で薪をくべて、炎を育てながら過ごすという非日常的な体験と時間をストレスなく提供できています」と話します。
都会の喧騒や日常の雑事を離れ、心身ともにくつろぐために訪れる豊かな森の中のプライベートロッジ。そのリビングであかあかと揺れる薪ストーブの炎が、今日も滞在者の満ち足りた休息のひとときに寄り添っています。