140余年の伝統に裏打ちされた
適材適所の木使いと匠の技
南東に阿武隈川、北西に安達太良山。自然豊かな田園風景の中に、Tさん宅はどっしりと佇んでいます。この家を手がけたのは、地元・二本松市の斉藤工匠店。創業以来140余年、「手刻み」の技を頑なに守り続ける老舗工務店です。
「一番こだわったのは屋根の組み方です」と語るのは、専務の斉藤守平さん。2階にできるだけ窓を多く設けるため、桁行方向と梁間方向で屋根の角度を変える「振れ隅木」の手法を取り入れています。これも手刻みだからこそなせる技。屋根の納まり一つを見ても、緻密な設計力とハイレベルな施工力がうかがえます。
木を愛し、木と語らいながら、心安らぐ木の家を提供してきた同社。Tさん宅でもその伝統の技を随所に垣間見ることができます。柱には特殊な乾燥を施した日光杉、梁には3年以上天然乾燥させた地松を採用。見えない土台部分にも天然乾燥のヒノキを惜しげもなく使用しています。これらの上質な素材を熟練の大工さんが一つひとつ手刻みし、組み上げているのです。
伝統に現代的な感覚をプラス
洗練されたデザインにも注目を
Tさん宅には伝統的な技術に加え、斉藤工匠店ならではの高いプランニング力とデザインセンスが存分に注ぎ込まれています。奥さんの希望を最大限に取り入れたプランは、吹き抜けのある開放的なLDK、家事効率を重視したキッチンまわり、将来を視野に入れた幅広の通路や階段など、暮らす人の目線に立った間取りや動線が満載です。
内装は同社の提案により、くすみ感のある素材や色合いで統一し、ラスティックな雰囲気に。アクセントウォールや飾り天井、おしゃれな建具、こだわりの間接照明などが彩る空間は、洗練されたカフェのような趣に満ちています。
住み心地について「以前の築50年の家とは比べものにならないぐらい快適です」と話す奥さん。家の中から周囲の森や安達太良山の風景が望め、「まるでプライベートガーデンみたい」とご満悦です。「この歳になって、こんなに心地よい家でゆったりとした暮らしができるなんて、本当に嬉しいですね」と喜びを語っていました。
斉藤工匠店の社長さんと以前から交流があり、良い家を建てていることは存じていたのでお願いすることにしました。手刻みの技術はもちろん魅力でしたが、営業から設計、現場管理、施工、アフターフォローまで同じ方が一貫して担当してくださったのが一番の安心につながりました。事前に3Dパースを見せていただいたのも、イメージしやすくてありがたかったです。想い描いていた理想の家を実現していただき、本当に感謝しています。(Tさん談)