日々の暮らしに磨かれてあめ色に輝く、ナラ無垢床とタモ無垢材の建具や腰壁。住まう人の動線、体の動きに合わせたきめ細やかな造作のやさしい感触。エフケーハウジングのモデルハウスに足を踏み入れた瞬間、健やかであたたかな空気に包まれました。築15年とはにわかに信じがたい艶やかな建物は、藤田恵治代表取締役の自邸でもあります。
1 高耐久住宅〜建物の耐久性が、ローコストにつながる鍵
高い省エネ性能をベースに、室内は無垢材、外壁にはタイルと、高い耐久性と維持・管理のしやすさを考慮した素材選びで、将来的にローコスト住宅を実現する
「日本の家の寿命は約30年といわれます。しかし、アメリカやドイツには150年経っても住める、売れる家が普通にあります。私もそういう価値ある家づくりを提案したいと考え、このモデルハウスをつくりました」。将来の財産となる強く美しい住まいを実現するため、藤田さんは自然素材である木を多用しています。「木を大切にした住まいは耐久性に優れているのと同時に、健康的な住環境も実現します。森林浴効果をもたらすテルペンという香り物質は、建材となっても発散されるといわれているんですよ」。
さらに、構造材にはまっすぐに伸びる北欧パイン材、床には硬く樹脂の多いナラ材、建具や腰壁には粘りがあり丈夫なタモ材と、木の特性を生かして使い分けています。「適材適所の木くばりが、私たちの家づくりの要。無垢材というと高級なイメージがあるかもしれませんが、耐久性や維持・管理に優れているので、長い目で 見るとそれがローコストにつながるといえます。外壁にタイルを採用しているのも同じ理由ですね」。
2 繊細な配慮
繊細な配慮細部まで住まう人に合わせた、人が主の家
エフケーハウジングでは、そうした木の性質と現場を知り尽くした大工と職人がチームを組み、家づくりを支えています。熟練の技は建物ばかりではなく、建具や造作にも生かされています。「人が主の家を建てる」をモットーとするエフケーハウジングには、規格住宅や標準設計はありません。モデルハウスもまた、主である藤田さん自身の暮らしよやすさを大切に設計。「住まう家族の暮らし方や体格などを想定して細部まで調整し、最適な空間、造作を形にしたいと考えています」。
3 学びは一生
勉強と経験の積み重ねが家づくりを支える
過去には、茶道をたしなむお客様の要望で、正統派の茶室を備えた住まいを建てたこともあったといいます。「茶室をつくるため茶の湯の思想を改めて勉強し、その奥深さに魅せられました。学ぶことはいくつになっても楽しいですね」。
笑顔でそう語る藤田さんは、創業から25年を経て、衣食同様、手間ひまをかけない家づくりが進んでいることも肌で感じています。「だからこそ、じっくりとプランに時間を充てて、実(じつ)のある家づくりに取り組まなくてはいけないと思っています」。