リビングから続く洋室のロフトへ子どもたちが歓声を上げて駆け上がり、やがてセカンドリビングから笑顔が覗く。まるで建物全体がアスレチック遊具のような住まいが建っているのは、美瑛の谷筋に広がる田園地帯。
今から11年前、第1子を授かったYさんは「大自然の中で子育てをしたい」と脱サラして、札幌から美瑛町へ移住。奥さんとともに新規就農者として新たな道を歩き始めました。移住当時は畑から離れた町営住宅に住んでいましたが、やがて子どもが3人に増えて手狭になり、古い建物の寒さも気になり始めていました。
そして6年ほど前に「畑のそばに家を建て、子どもたちに働く姿を見せながら暮らしたい」と、新築を決意。ご夫妻の理想のわが家像となったのが、トマト農家の先輩が住んでいた薪ストーブのある芦野組の家でした。「何より暮らしている家族がいつも幸せそうで、見ているこちらまで心が躍りました。やっぱり、芦野組しかないと直感しました」と、Yさんは振り返ります。
そしてご夫妻は「3人の子どもたちが楽しく遊べる家にしたい」と、芦野組に新築を依頼。さらに、子どもの成長に対応できる可変性のある間取りと空間にしたいと伝えました。奥さんは夏の繁忙期の家事負担を軽減するため、食洗機の採用や効率の良い家事動線も希望していました。
芦野組は、子どもたちが一年中元気に駆け回れるよう、標準仕様に付加断熱を施したQ1.0住宅仕様の採用や、ナラやカエデなど、足触りの良い木を生かした内装を勧めました。また、奥さんが働きやすい家事環境を実現するため、大容量のミーレの食洗機や家事動線に合う造作収納を設置したキッチン、水まわりのある1階には回遊動線を採用したプランをつくりました。
2020年10月、ご夫妻が丹精して育てる畑のほとりに木の温もりあふれる新居が完成しました。育ち盛りの子どもと畑の世話に追われる奥さんは「勧めてもらった食洗機が大活躍。家事がしやすく、畑にも近いので気持ちにゆとりが生まれ、夕飯のおかずが1品増えました」と笑顔で話します。
子育て中心でプランされた新居ですが、子どもたちの遊び場になっているリビング隣の洋室や2階のオープンな子ども部屋は、必要に応じて個室化できるよう、すでに造作建具などの準備が整えられています。「美瑛の冬をよく知っている芦野組だけに、新居の雪対策も万全。暖かさは先輩の家で体感済みなので、何も不安はありません」とYさんは幸せそうに話してくれました。