夏の終わりの8月30日に「セイナヨキ」を訪ねました。セイナヨキはフィンランドの首都ヘルシンキから電車で約3時間の距離にある地方都市。お目当てはフィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルト(1898–1976)の建築群です。
週末にフィンランドの田舎にある友人のサマーコテージに滞在したのですが、そこから近いとのこと。日曜日の午後だったので、建築の中を見られるのは残念ながら教会だけとわかりました。でもいい機会だったので、ぜひ行ってみることにしました。
これはラケウデンリスティ教会です。アアルトの案が建築コンペで1位となり、1960年に完成しました。時計塔は高さが65mあり、市内のランドマーク的存在。これもアアルトの設計です。
教会の内部。空間は長方形ではなく、祭壇に向かって歩いていくにつれて、狭くなっています。温かみのある茶色の床タイルがなんだか落ち着きます。
教会内の照明器具もアアルトがデザインしたものです。天井や窓、照明にデザインされた曲線が美しく調和しています。
このエリアには教会以外に6つのアアルトが設計した建築物があり、「アアルトセンター」と呼ばれています。
1. ラケウデンリスティ教会(1957–1960)
2. 教区センター(1965–1966)
3. 市庁舎(1961–1962)
4. 市立図書館(1964–1965)
5. 合同庁舎(1966–1968)
6. 市立劇場(1986–1987)
*出典 https://visitseinajoki.fi/en/alvar-aalto/
こちらはセイナヨキ市立図書館です。壁の曲線がアアルトらしいデザインです。
こちらはセイナヨキ市庁舎。壁には濃紺のタイルが使われています。
アアルト建築はフィンランド国内のいろいろな場所で建てられているのですが、セイナヨキのように6つも建築があるのはとても珍しいです。アアルトが設計した建築を日常生活で利用できるなんて、本当に羨ましい!セイナヨキ市民にとっても、たいへん誇りなのではないでしょうか。そしてアアルト自身も、この全体プロジェクトをとてもやりがいを持って楽しんで設計したのではないかな、と想像します。