「良いデザインの家」とは、見た目も間取りも、省エネ・省コストにつながる住宅性能も、トータルに考えデザインされた家。「美しく暮らす 東北のデザイン住宅2020」の発刊に合わせて、さまざまな意味での「デザイン」に優れた家づくりに取り組む東北の住まいのつくり手の声をお届けしていきます。今回は、福島県須賀川市を拠点に注文住宅を手がけるLITTLE NEST WORKSの阿武隈川 哲郎さんです。
山形県天童市・Oさん宅/夫婦30代、子ども3人
設計・施工/LITTLE NEST WORKS
「お施主様の家に対する想い」をカタチに
お施主様にとっての「暮らしの豊かさ」とは何か?家を建てることだけが私たちの仕事ではなく、ご家族が5年後、10年後、30年後…どのように暮らしが変化していくのか、どう暮らしていたいのかを一緒に考え、悩み、お施主様にとっての「理想の家」を少しずつカタチにしていきます。
家づくりのプロセスをひとつひとつ楽しんだり悩んだりしながら、家が機械ではなく手づくりででき上がっていく過程をご体感ください!居心地よい住まいづくりのお手伝いができればとても嬉しいです!
子どもがすこやかに育つ家
山形県天童市中心部の閑静な住宅地に建つ平屋のお住まいです。お施主様より「理想の住まい」についてお話をうかがったときに強く印象に残ったのは、お子さんたちを優しく見守り、すこやかに育つ家づくりをしたいというご家族への想いでした。
子どもの感性を育み、安心して暮らすことができる場所づくり、Oさんが忙しい日々の暮らしのなかで仕事から解放され、安らぎながら家族と過ごせる空間づくり、奥さんの家事や育児の負担を少しでも軽減できる家事動線を意識して設計に努めました。
外観は、道路や近隣からのプライバシーを確保するため閉鎖的に。夜には建物から放たれる優しい光が通りを照らす、街に開かれた住まいづくりを目指しました。
建物は、中庭を境に左右にパブリックゾーンとプライベートゾーンを明確に分けて配置。仕事で帰りが遅いOさんが先に休んだお子さんたちを起こさずにLDKでくつろぐことが可能です。
家族みんなが自然に集まるLDKは、奥さんの家事の手伝いや、学校の宿題などをして過ごすことができ、家族の会話も増えるでしょう。また必要な収納をバランスよく配置することで、生活動線に配慮しました。
中庭は、LDKと一体としたアウトドアリビングに。ステイホーム期間中もご家族でバーベキューをするなど、工夫を凝らした暮らし方で、お家時間を楽しみながらお過ごしいただいています。
■建築DATA
構造規模/木造・平屋建て
延床面積/329.16㎡(約99坪)