羊蹄山をドーンと正面に望むFさん宅。道路に向かって下がっている傾斜地の一番奥に家を建て、リビングは2階に据えています。ダイニングからリビングにかけて並ぶ東向きの大きな6枚の窓は、羊蹄山の姿を美しく切り取るだけでなく、冬の採暖にも活躍。太陽が出るとすぐに2階を暖めてくれます。
家が建つニセコ町はスキー場でも知られるとおりの豪雪地帯。Fさんご夫妻は何社かで検討した結果、最終的には雪の多い地域での家づくりに実績のあるSUDOホームにお願いすることにしました。設計を担当した同社の深瀬正人さんが雪対策として採用したプランのひとつが片流れの屋根です。「東向きに屋根を下げることで朝陽の熱を効率よく利用し、雪を落としやすくしました」。屋根から落ちた雪はアプローチ横へ。玄関から道路までの除雪は業者にお願いしているため、アプローチと屋根の除雪は1度の作業で終わります。
実は家づくりに関して、ご夫妻の意見はことごとく合わなかったと奥さんは笑います。折衷案では中途半端になってしまう、と最終的にはFさんの意見を尊重したそう。完成したのは眺めのいいリビングとウッドデッキ、暖炉を備えたFさんの希望どおりの家。
しかし、イギリス出身のFさんは将来的には別の場所で暮らす可能性もあるといいます。その際にきちんと売れる家であってほしい。実はそんなことも考えていました。「階段を上って最初に見える景色がこれだったら、どう?」。自らが希望していた快適な暮らしが将来の財産にもなっています。