Sさんご夫妻がアクト建築工房と一緒に家づくりをするのは今回で2度目。奥さんは、両親が2度家を建てていて、ご自身も将来的に終の住処としてもう1軒建てることを想定していたといいます。「子犬だったギンも、今やすっかり老犬です。階段移動もきつくなり、腰を痛めてしまったことをきっかけに新築を決意しました」。
依頼先はもちろんアクト建築工房です。「澤田さんは型にはまらず、センスが良くて、自由でおおらか。私たちと一緒に心底楽しそうに家づくりをしてくれるんです。120パーセントの信頼で、2軒目の新築を依頼しました」と奥さん。木材のバイヤーをしているSさんは自ら無垢材を調達できることもあり、「木をふんだんに使った愛犬と暮らすコンパクトな平屋の家」という大まかな希望を伝え、澤田さんとの阿吽の呼吸の中でSさんご夫妻の2度目の家づくりが始まりました。
床のウォールナット、Sさん支給のオークやチェリーの端材を活用したリビング壁やキッチンスペースなど、LDKは素材の質感が楽しめる木の空間に。玄関ホールに設けた犬専用の洗い場や、庭に続くスロープなど、ギンくんが快適に暮らせる工夫もしっかりとされています。
「新しいものが必ずしも価値あるものとは限らない」という澤田さんの助言から、オールステンレスのキッチン、無垢材の造作建具やダイニングテーブルなど、以前の住まいから引き継いだものも多く、新旧が同居する心地の良い終の住処が完成しました。「1軒目に建てた家は現在売りに出しています。あの頃の私たちのように、若い家族が暮らしてくれると嬉しいですよね」と奥さんは話してくれました。